戦わないのか、それとも戦えないのか
J2大阪! J2大阪
響き渡る浦和サポーターの声を背に、僕は足早に埼玉スタジアムを去りました。
もう、生きているうちにここにくることはないのかもな
そんなことすら思いました。
ACL王者に輝いたズッ友・レッズに敗れたことはもちろん悲しい。
それ以上に、どちらが負けてはいけないのかははっきりしている状況で、1点リードしながらも腰の引いた戦いで敗れたことが、我慢できませんでした。
戦評
ガンバはネタがいないアンカーに山本理仁、センターバックは前節に続いて三浦ではなく福岡と、ボールを動かすための布陣で挑みました。
立ち上がりは浦和のハイプレスをかわすために、ロングボールが多くなりました。
これは理解できました。
その中で、前半23分に先制。
半田からのロングボールをジェバリが落とし、それを拾ったアラーノが再びジェバリへ。
ボックス内で仕掛けたジェバリは、キックフェイントで相手の股を閉じさせ、右サイドぎりぎりのゴールへ流し込むというハイレベルなシュートを魅せてくれました。
ワールドクラスやん
と興奮したのもつかの間・・・ここがこの試合のピークでした。我らにとっては。
先制すると、ガンバはラインが下げて押し込まれる状況に。
もちろん、最初はいいんですよ。得点直後の失点が、一番最悪ですから。
最終ラインを下げても、そこからボールを奪いに行く圧力をかけなければいけないのは、素人目にも明らかでした。
しかし守備時は、宇佐美とジェバリを2トップ気味にする4-4-2で守りに入ると、誰もボールにいかない状況に。
ハーフコートゲームと化し、浦和の選手ほとんどがガンバ陣内に。
するとボールを奪っても、プレスがすぐにかかるためにクリアするしかなく。
その回収もできず、攻められ続ける、という地獄に陥りました。
そして前半アディショナルタイムに失点。
この場面は、ジェバリがあと数メートルでも寄せることができていれば、ここまでフリーでホイブロデンにパスは出させなかったはず。
福岡のハンドは正直、アンラッキーだとは思いますが、必然の失点と言えたかと。
さらに後半、浦和は機能していなかった2トップをやめ、伊藤、大久保を入れてさらに圧力をかけてきました。
一方でガンバはメンバー変更もなく、修正も感じられないままに押し込まれる時間が続き。
CKから、ボックス付近から入れられた浮き球に、黒川と理仁がふたりで対応したものの、大久保に決められてしまいました。
その後は誰もチームを鼓舞するような様子もないまま、ゴール前で東口のパスがわずかにずれて奪われたところから失点。
これも東口のパス精度は問題ですが、1点を追う状況になったのだから、積極的に自分たちができるビルドアップで攻撃のチャンスをつくろう、という気持ちが理仁にあれば・・・
ゴール前でリスクのあるパスは欲しくない、と思った理仁に出したからこそ、あんなに簡単に奪われたのでは、と感じます。
その後は倉田の投入などで戦う意識こそ取り戻したものの、ゴールは奪えず完敗。
最下位転落という事実だけが残りました。
採点&寸評
2023 J1リーグ第13節 アウェー・浦和レッズ戦(5月14日) | |||||
名前 | 先発 | サブ | 採点 | 寸評 | |
GK | 東口順昭 | 〇 | 4.5 | 同情はします。しかし同じミスを繰り返すことは、ベテランとして許されません。反撃への流れを完全に切ったミスでした | |
石川慧 | |||||
谷晃生 | △ | ||||
DF | 福岡将太 | 〇 | 5 | 同情はします。ただハンドはハンド。コオロキに試合を通じて手を焼きましたし、効果的な球出しも数少なかったです | |
半田陸 | 〇 | 5.5 | 終盤の馬力と気概は、数少ない希望でした。西川のノドに突き刺した決定機は、もう少し冷静さがあれば追撃の1点となりましたが。。。 | ||
藤春広輝 | |||||
三浦弦太 | △ | ― | 時間短く採点なし。 | ||
高尾瑠 | △ | ||||
佐藤瑶大 | |||||
権敬源 | 〇 | 5 | ミスがあるわけではないけど…この苦境、DFリーダーとしては物足りないとはっきりと言いたくなります。周りをもっと動かして欲しい | ||
黒川圭介 | 〇 | 4 | また球際で…もう何度目やねん、と。クリアばかりで持ち味も全く出ず。大好きな選手ですが、そろそろタイムリミットでは…と思います。 | ||
柳沢亘 | |||||
江川湧清 | |||||
MF | 山本理仁 | 〇 | 4 | 2失点目は黒川とともに球際で粘れず。3失点目はヒガシのミスとは言え、体を張って欲しかった。正直、今のプレーではピッチに立つ資格ないのでは。 | |
倉田秋 | △ | 5.5 | 何とかしようという気迫、闘志…今のチームに足りないものを示してくれました。まだ彼の中にはガンバの魂が燃えていることは確認できました。 | ||
福田湧矢 | |||||
ネタ・ラヴィ | |||||
塚元大 | |||||
ダワン | 〇 | 5 | 守備での貢献度が上がってこないのが気になります。インテリオールはもしかしたら違うのか、と思ってしまいます。 | ||
杉山直宏 | △ | 5 | 数的不利でも仕掛けて何とかしよう、という意識は感じましたが、まだ刀の鋭さが足りませぬ。 | ||
山本悠樹 | |||||
中村仁郎 | |||||
アラーノ | 〇 | 5 | 先制ゴールには絡みましたが…カオスを生み出す無秩序ポジショニングも、チームがダダ下がりの中で穴にしかなりませんでした。 | ||
石毛秀樹 | △ | ― | 時間短く採点なし。 | ||
FW | 宇佐美貴史 | 〇 | 4.5 | 1点リード後の守備は、ふざけているのかと。なぜ昨季終盤のような闘志を出せないのか。あいさつどうでもいいので、ピッチで全部出してくれ | |
食野亮太郎 | 〇 | 4.5 | カットインからシュート、という唯一の武器が右サイドでは出せず。守備要員として以外に、特徴が出せない現実は悲しすぎます。 | ||
鈴木武蔵 | △ | 4.5 | がむしゃら以外のものはないのか。厳しいです。でも今のチームには、足りない姿勢なのかもしれません。 | ||
ジェバリ | 〇 | 5.5 | ゴールは文句なし。ただ守備への意識が低すぎて、片野坂時のレアンドロ・ペレイラか!と。同点ゴール時の起点に寄せられなかった責任は重いです。 | ||
山見大登 | △ | ― | 時間短く採点なし。 | ||
監督 | ダニ・ポヤトス | 4 | ハーフタイムに修正してきた浦和と、放置したガンバ。その差が勝敗を決めました。戦術云々以外にも、監督として必要なものはあります。選手達を奮い立たせ、戦う集団に。それができなければ、監督としてベンチ前に立ち続けることは出来ません。 |
ではもう応援をやめるのか
現状を整理します。
①ポヤトス下でボール保持は進む→しかしボールを握っても攻めきれずカウンターでやられる←ダービーなど
②カウンターを警戒して前にプレスいけず→結局押し込まれてやられる←浦和戦
それなら選ぶべきは断然①のはず。
ただし、ボール保持すれば守備は緩くていい、というのは、全く別の話。
たとえば浦和戦ではボールを的確に動かすために、強度は低くてもセンスのある山本理仁を起用しましたが、それだけでは試合に勝てないことは十分にわかりました。
守備で戦えない選手がいれば、本当なら怒鳴り散らしてでも戦わせるショウジ源タイプが必要なはず。
今のチームには、そんな選手は・・・
しかし去年の終盤、追い詰められた時のガンバは、守備で戦わない選手などいませんでした。
つまり、まだ甘いのです。
浦和サポーターさん、ありがとう。J2大阪コールをしてくれて。
これで目が覚めない選手は、本当にピッチに立つ資格はありません。
ポヤトス監督においても、戦術うんぬんの前に戦えるチームに変えていけないのであれば、ガンバ大阪をこれ以上率いる資格はないでしょう。
クラブはマリノス戦までの続投は決めた模様。
サポーターは、どれだけチームが弱くても、歯を食いしばって応援するのです。
選手達とポヤトス監督にも、歯を食いしばってこの状況と向き合い、抜け出して欲しいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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