【忖度なき採点&寸評】次節にも優勝の可能性が消滅するガンバ大阪。魅力と限界を露呈したドロー。ポヤトス監督を続投か退任かの分かれ道を前に。24/10/18川崎フロンターレ1-1ガンバ大阪@等々力

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山本悠樹、家長昭博に振り回され、小林悠に仕留められる

前半は今年のポヤトスガンバは見せてきた良さが詰まった試合。

後半は今年のポヤトスガンバの限界を感じた試合。

同じく4-4-2(ガンバは4-2-3-1ですが)をベースとしたミラーゲーム。

特にサイドははっきりとしたマッチアップが多くなる中で、前半はウェルトンvs瀬川、山下vs際、半田vsマルシーニョという1on1で負けなかったことで、ペースを握った印象でした。

その中で前半7分に先制。

押し込んだ状況から、マルシーニョが付いてこない隙をついた半田が右サイドをするすると上がり、完璧なタイミングで鈴木徳真からパス。

逆サイドではスピードアップしたウェルトンが簡単に瀬川を引き離し、半田のラストパスを簡単に押し込みました。

その後も試合の流れをつかんでいましたが、同26分ウェルトンにアクシデント。

少しずつ川崎に流れが渡っていきました。

後半、川崎はボランチの山本悠樹が左サイド後方に落ち、フリーでボールを動かし始めました。

さらに4人交代の〝鬼采配〟と、前線からのハイプレスで流れを強引に引き寄せてきた川崎に対し、ガンバはミドルプレスで構えることしかできず。

山本を追いかければ中央に差し込まれ、山本をフリーにすれば次々と好配球が。

その中でポヤトスが取った手は、宇佐美に代えて山田の投入。

前線の運動量を上げることだけでした。

そして81分に同点に。

長いボールを家長に収められ、ワンテンポ早く出されたことで半田の裏を取られ、中央で小林悠にヘディングで押し込まれました。

小林には福岡、黒川が対応していましたが、背中を取られた福岡、挟み込むことができなかった黒川と二人とも対応が甘くなったことで、リアルストライカーを止めることはできませんでした。

同点となった後、林大地ら3枚替えで勝ち越しを狙いましたが、時間が短すぎました。

採点&寸評

GK 22 一森 純【6】恐怖心に打ち勝って1歩前に出たことで大きなセーブも。ただチームを勝利に導くことはできず。

DF 2 福岡 将太【5】前半は素晴らしい出来でした。失点シーンは、彼が190センチのCBなら防げたかも知れませんが、あの形を作られてしまっては為す術なし。しかしCBとは、それで評価されるポジション、でもあります。

DF 3 半田 陸【5・5】完璧なタイミングの抜け出しから絶妙ラストパスで先制点をアシスト。マルシーニョとのマッチアップを見ていても、強度もかなり戻ってきた印象もあります。ただ失点シーンは一瞬準備が遅れ、右サイドの裏を取られて遠野にクロスを許す形に。家長のトリッキーさに上回られました。また左落ちした山本悠樹の対応も、何かできることはなかったのかと。

DF 4 黒川 圭介【5・5】川崎のプレスを回避するプレーには解説陣も絶賛でした。失点シーンは福岡と二人で小林悠を見ていただけに、せめて体をぶつけて自由を奪いたいところでした。

DF 20 中谷 進之介【6】川崎の若きエース山田を封じるタックルはまさに彼の真骨頂でした。ただ家長のテンポにだけはさすがの彼もリズムを外されました。

MF 16 鈴木 徳真【5・5】先制点の起点となった半田への裏パスは、視野の広さとタイミングを逃さぬ準備の確かさが生んだプレーでした。しかし後半は山本悠樹に好き放題やらせしまう展開に。彼一人の責任ではまったくありませんが、いなくなった者の存在を全ガンバサポに思い出させてしまいました。

MF 17 山下 諒也85’【6】前半は最高のカウンター発動機として機能し、決定機も演出。しかし後半は激しいボディコンタクトも食らいまくって少しずつ失速した印象も。

MF 23 ダワン85’【5】個人としては推進力とパワーをみせてくれましたが、劣勢になった時にチームを動かすのはやはりボランチの役割。その発信を期待するのは酷かもしれませんが・・・あと足首はあんなにひねったのに大丈夫なのか。心配です。

MF 97 ウェルトン26’【6】確実に相手に勝てるポイントとして先制点まで挙げてくれましたが、負傷により交代。ハムストリングとみられ、9日後の天皇杯準決勝に間に合わない可能性が出てきたことは痛恨過ぎます・・・

FW 7 宇佐美 貴史74’【5】この敗戦はやはりあなたが決めるべき時に決められなかったから。前半のCK、そして山下からの折り返しと2度の決定機でシュートを枠に飛ばせず。このチームは、みんなが貴方にシュートを打たせるために動いているだけに、やはり枠には飛ばして欲しかった。

FW 13 坂本 一彩85’【5・5】ボールを受ける技術は秀逸ですが、何かが足りない…。それはフィジカルなのか、それともスピードなのか、意識の問題なのか。小林悠に学ぶものは山ほどありそうです。

【途中交代】

MF 15 岸本 武流26’【5】ハードワークは認めますが、左落ちしてきた山本悠樹にいいようにやられた印象。終盤はアップアップでした。

MF 27 美藤 倫85’【―】時間短く採点なし。

MF 47 ファン アラーノ85’【―】時間短く採点なし。

MF 9 山田 康太74’【5】チェイシング要員以上の仕事はできず…

FW 91 林 大地85’【―】3か月間待ったガンバデビュー。時間短く採点なしも、本領発揮はここから。

ダニエル・ポヤトス監督【5】愛弟子山本に今のガンバの限界を見せつけられたような試合に。4枚替えで流れを変えられた点も鬼木達監督に上回られた印象もあります。

あとがき

考えさせられる試合でした。

個々の能力は確実にアップし、局面では勝てることも多くなりました。

宇佐美、ウェルトン、ダワン、中谷、半田、山下。

最終ラインをやや下げた低めの守備から、個の能力を生かしてしぶとく勝利をつかんできたことが、今季の上位進出につながったことは間違いありません。

一方でスペースを自ら作り出し、コンビネーションと技術で押し込んでいく、という本来ポヤトス監督が目指したスタイルは、今季の終盤になっても熟成している様子はありません。

残り4試合で、首位広島との勝ち点差は11。

次節ガンバが勝利し、広島が敗れない限りは、優勝の可能性が消滅します。

すでに他チームでは、来季の監督人事もちらほらと。

昨季低迷したチームを、今年は大きく進歩させたポヤトス監督を、来シーズンも続投させるのか否か。

非常に重要な判断を下す局面が、いよいよやってきたな、と感じています。

正直、3年目を見たい気持ちはあります。

一方で、今季は各チーム非常に多くの監督が移動しそうな気配。

ということは、優秀な監督が市場に出てくる、ということです。

この日対戦した鬼木監督(すでに今季限りで退任決定、鹿島がオファー)、数年前にオファーを出したパリ五輪代表の大岩監督(五輪監督継続オファーと、セレッソがオファーとの報道あり)、鳥栖を魅力的なチームに育てた川井監督(8月に退任)、そして湘南で成長し続けている山口智監督(現時点では続投などの報道はなし)。

まだ私の心は、はっきりとは決めかねています。

3年目を見たい思いと、もう限界では…と疑う思いが50-50。

ぜひみなさんの考えも、聞いてみたいと思います。

きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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