前書き
天才復活。
そんな思いが去来する、宇佐美貴史のプレーでした。
世の中の全員が引っかかるであろうキックフェイントからの先制ゴールは、もはや説明の必要なし。
前半終了間際、山下へのスルーパスもえぐすぎ。
ただチームとしては、後半の戦いに大きく課題を残した試合。
勝ったときこそ手厳しく。
振り返っていきましょう!!
戦評
トップ下には坂本ではなく山田を入れて臨んだこの試合。
ガンバの戦いとしては、大きな変化があったとは思いませんが、柏がすごくカウンター主体のメンバー構成できたことで、前半はしっかりと主導権を握りつつ、相手が前に出た裏を的確につく展開に。
そんな中で生まれた先制点。
鈴木徳真のサイドチェンジがウェルトンに届き、相手の陣形を横に広げると、CB、SB、そしてボランチの間にできるいわゆるポケットに進入したのが宇佐美。
ファーを狙う体の向きから、キャンセルで縦へ。
全盛期を彷彿させるキレ、タッチの鋭さで奪った見事な先制点でした。
また前半26分には、宇佐美のFKが相手にはじかれたところを、鈴木徳真が低く抑えたシュート。
これが相手に当たってリフレクションとなったところに、誰よりも早く反応したのが山田。
いつもはガンバがやられまくる古巣への意趣返しで、リードを2点に広げました。
しかし後半は、柏に主導権を握られる展開に。
リードをしていたので、しっかりと守ってカウンター、という意識で臨んだとは思うのですが・・・
その意識が強すぎて、ひとりひとりがパスを受ける、という意識が下がり、蹴るしかない状況が増加。
サブにネタが居れば、修正できたのでしょうが、ベンチにはボランチがサイドハーフ兼任の倉田ぐらいしか不在な状況。
根本的な修正は加えることができず、押し込まれる展開が続きましたが、今季最大の武器、GK一森を中心とした堅守でなんとかしのぎ続けました。
それでも後半34分、柏DFジエゴに決められて失点。
相手左サイドバックがあんなに高い位置でポジションを取っていたことが、押し込まれていた何よりの証拠なのですが、そこに至る縦パスを差し込まれたシーンが気になりました。
ダワン、徳真のふたりが簡単に中央の門を開けて縦パスを差し込まれ、木下のフリックが中谷の股を抜けてジエゴへ。
中谷に関しては、やや不運かな・・・とも思いましたが、1点は1点。
この時点ではウェルトンに代えて倉田、山田、山下に代えて坂本、岸本と電池交換の交代が行われており、残されたカードは決して多くありませんでした。
そしてラストはDF中野とFWジェバリを投入。
ここで効いたのが、ジェバリのキープ力でした。
本当に追いつかれてもおかしくない流れの中で、サイドに流れて体を使い、ひとりで2分ぐらいは消費してくれたのではないでしょうか。
今の起用法に決して納得はしているはずはないチュニジア代表プレーヤーが、ああやって自分の役割をまっとうしてくれたことに本当に頭が下がります。
チームの一体感が証明された瞬間でもありましたね。
採点&寸評
DF 3 半田 陸【5・5】攻撃時は内側でうまく潤滑油になりながら、前半は渋いプレーが光っていました。ただ後半はジエゴ、サヴィオとの2対1にさらされることが多く、苦しんだ印象
DF 20 中谷 進之介【5・5】失点シーンは予想外のプレーに対応できず。本人は責任を感じていた様子でした。ただその後は相変わらずの壁っぷりでした。
MF 23 ダワン【5・5】失点シーンで縦パスのコースを開けたポジショニングミスは痛恨でした。しかしそれ以外はタフに最後まで戦ってくれたのかなと。
【途中出場】
DF 33 中野 伸哉88’【―】時間短く採点なし
MF 10 倉田 秋70’【5・5】守備の強度は担保してくれましたが、それ以上の違いは出せず。
MF 15 岸本 武流77’【5・5】守備に加え一発を狙う役目も担いましたが、この日は結果につながらず。
FW 13 坂本 一彩77’【5】苦しい時間の中で、一発で仕留めることはまだできず。少し試合に入りきれなかった印象も。
ダニエル・ポヤトス監督【5・5】山田の先発抜てきは当たりましたが、後半苦しい中で修正策は見いだすことができず。しかし1点を守り切る姿勢を全員が徹底していたことは、彼のマネジメントのたまものでもあるでしょう。
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