【忖度なき採点&寸評】〝今季最低〟のポゼッション率でつかんだ勝ち点3。これを良しとしていてはタイトルなど夢のまた夢。2024/6/1湘南ベルマーレ1-2ガンバ大阪@レモンガス

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ポゼッション率37%…は狙い通りなのか

勝つには勝ちましたが、苦しい試合でした。

ポゼッション率は37%・・・

30%台は浦和戦、セレッソ戦と3度目。

実は3連勝。

しかしシュート16本を放ち、相手に持たせて攻めきったセレッソ戦とは違い、この試合は浦和戦と同じく、苦しい中でも少ないチャンスを生かした内容に。

もちろん勝ったことはポジティブ。

ただこの試合を良しとしていれば、3位以上に絡んでいけるとは思えません。

ニヤニヤしながら順位表を眺めていますが、厳しく振り返りたいと思います。

戦評

初期配置にずれがあるため、ポイントはどうやってアンカー・田中に対応するのか、という部分でした。

ガンバは守備時、宇佐美と坂本、ウェルトン、山下の4人で、相手の3バック+アンカーをはめきってしまおう、としているように見えました。

しかし3バックの両サイドの前進や、アンカー田中を捕まえきれず、簡単にファーストラインを突破されまくり。

高い位置に張った湘南のウイングバック、特に左の杉岡にボールが入って半田と1対1になるシーンが頻発。

サイドにボールが入れば、内側のレーンにインサイドハーフの平岡が走り、そこに鈴木徳真がついていくと中央が空き、2トップに入り込まれてバイタル付近で起点を作られ、そこからのコンビネーション、両サイドへの再展開でチャンスをつくられました。

前半途中から宇佐美が田中の近くに立つようになり、そこを制限しようとする姿勢はみえました。しかし前への守備には劇的な改善を見せる宇佐美ですが、背中でマークを消す、など本当に守備がうまいプレーヤーが得意とするようなプレーは少なく、大きな流れは変えられませんでした。

そんな中で、湘南がゴール前でビルドアップミス。

守備ではめた、といっていいのかわからないほど、お粗末なミスではありましたが、徳真、山下とワンタッチでつなぎ、最後は宇佐美。高い質のパスが2本、シュートもシンプルかつ正確な技術を発揮して先制に成功しました。

しかしその後も大きく流れは変わらず、後半へ。後半の立ち上がり10分も流れが変わらなかったところで、坂本に代えて倉田を投入し、中盤を徳真のアンカー、ダワンと倉田の2インテリオール、宇佐美を1トップに据えた4-5-1に変更。

中央は3人のMFでしっかり締めながら、ボールを奪えば両サイド(山下、ウェルトン)の裏に素早く配球するロングカウンターに狙いを切り替えました。

そして得点シーン。中谷から山下へのロングフィードから、セカンドを反応よく拾った宇佐美に預けると、山下が再び裏へ。

スルーパスが通ると、慌てた杉岡が背後から倒して、PKをゲット。

これを宇佐美が決めて、狙い通りに追加点を奪いました。

本来なら、ここからボールを持つ時間を増やしたいところではありますが、なかなか湘南のプレスを回避できない中で、後半33分にCKから失点。

ここで宇佐美に代えてジェバリを投入し、前線の起点をつくって時間をつくる流れに。さらに最終的には5バックにして試合を殺し、何とか逃げ切る、という試合でした。

採点&寸評

GK 22 一森 純【6】シュートは守備範囲内ですべて盤石。攻撃面ではシンプルに徹しましたが、十分に役割は果たしたかと。

DF 2 福岡 将太【6】ルキアンにはじかれてヒヤッとするシーンもありましたけど、最後まで体をくっつけ続けたことで、枠に飛ばさせませんでした。

DF 3 半田 陸【6】サイドに引き出され、中を狙われるという苦しい時間が続きましたが、持ち味の身体能力で何とかしのいだ、といったところでしょうか。セットプレーで見せた反応速い守備も大きかったなと。

DF 4 黒川 圭介【5・5】個人としてはやられていないのですが、もう少しウェルトンと連携して守れればなおよしかなと。ウェルトンを出すところ、下げるところの守備は改善の余地ありか。

DF 20 中谷 進之介【6・5】失点シーンはマークするルキアンに決められましたが、あれは防ぎようなしと見ます。そのほかのシーン、本当に逃げないブロックで何度もチームを作ったプレーを高評価。

MF 16 鈴木 徳真【5・5】ここまでボールを握られると、やはり良さが出るシーンは半減してしまいます。

MF 17 山下 諒也83’【7】少ないチャンスでふた仕事はでかすぎ。押し込まれても、裏へのロングカウンターで陣地回復、さらには決定機までいけるところは今のチームに欠かせない存在に。

MF 23 ダワン83’【5・5】ポジショニングに迷いが見え、持ち味の強度を出せるシーンは多くなかったかなと。ただ嫌なミスはなく、ぎり及第点といったところでしょうか。

MF 97 ウェルトン79’【5・5】守備の時間が長く、ロングカウンター以外に持ち味を出すシーンは少なく。彼の問題というより、全体的な構造に問題か。相手3バックへの守備対応は、少し甘かったのかな、とも感じます。※ただ追記します。ゴール前まで戻ってみせた魚雷タックルは最高でした。周囲に引っ張られ、守備意識はかなり高まっていますね

FW 7 宇佐美 貴史79’【6・5】決めるべき時を決めて2得点。プレスのタイミングの悪さや、劣勢時の淡泊なボールロストなど、少し気になるところもありましたけど、セカンドへの反応や失った後の守備意識も高く、チームを勝利に導いたパフォーマンスであったことは間違いなし。

FW 13 坂本 一彩56【5】背後への駆け引きで相手の圧縮を何とか広げようとしましたが、なかなかうまくいかず。もっと周りを動かし、前の4人でグループとして守備をしてほしいなと。それは宇佐美にはなかなかできないことなので、守備にも特徴を持つあなたの仕事ですよ、と言いたい。

【途中出場】

DF 46 松田 陸83’【―】時間短く採点なし。

MF 10 倉田 秋56’【5・5】狙い通り中盤中央を締める役割は果たしてくれましたが、失点時にニアで後ろにそらしてしまった判断はよくなかったなと。

MF 6 ネタ ラヴィ83’【―】時間短く採点なし。

MF 9 山田 康太79’【5・5】クローザーとして役割全う。

FW 11 イッサム ジェバリ79’【6】苦しい時間にキープ力が生きました。

ダニエル・ポヤトス監督【5】ここまで苦しい展開になってしまった背景には、試合中の守備修正がうまくはまらなかったということもあるかと。山口智監督との勝負には負けた、と言えるのでは。しかしロングカウンターに狙いを切り替えて、5バックで守り切った判断は素晴らしかったなと。ただ今日は厳しく及第点以下とさせてもらいます。

ポゼッションがすべてではない…しかし…

ポゼッション30%台で3連勝を飾っているように、今のガンバは重心が後ろに下がっても勝ちきる術は持ち合わせています。

それはもちろん、山下、ウェルトンの両サイド。

今季の最初にはなかなか出せなかったロングカウンターを完備したことで、こういった戦いでも勝ち点をつかむ試合は続けられています。

ただやはりここまで相手に押し込まれていては、失点の確率は上がっていきます。

時間帯によって、押し込まれるのは仕方なし。

しかし、しっかりと相手のプレスを回避して押し返す時間を増やしていくのが、本来のポヤトス監督の目指すサッカーのはずです。

以下はポヤトス監督のコメント。

この勝点3を非常にうれしく思います。ただ、試合を通して湘南さんに流れを与え過ぎました。守備での狙いはありましたが、それがうまくハマらず、守る時間が続きました。大きいチャンスは作られませんでしたが、自分たちの流れがなかなか来なかった中で先制点を取れました。前半は均衡した流れで終われたと思います。

後半に関しては、少しコントロールできそうなところがありましたけど、試合を通して後半も支配ができなかった流れがあります。最後の時間も、ルキアン選手が入ってきて以降クロスの数が増え、5、6人がエリア内に入ってくるという、相手の攻撃の厚みが増していきました。それでもしっかりと我慢できた展開になったと思います。

もちろん、監督も重々わかっているはず。

いよいよ待ち構える勝負の夏に向け、さらに状態を上げていって欲しいなと思います。

きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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