【忖度なき採点&寸評】半田陸退場後の交代策に疑問。ポヤトス監督が采配勝負で町田・黒田剛監督に完敗…2024/6/30 町田ゼルビア3-1ガンバ大阪@パナスタ

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前書き

悔しいです。

はっきり言います。

完敗です。

半田陸の退場をかばう気はありません。

彼がピッチに立っていた前半33分までは、圧倒的な試合を見せていたのですから。

宇佐美貴史は言いました。

でも、(半田)陸の責任ではまったくないですし、首位に行くチームならあれでも耐えしのいで後半に自分たちの時間に点を取ってというゲームができたと思います。誰も陸に対して思っていませんし、みんなが次に向かって切り替えています。

優しさからの発言なのでしょうが…半田のことを悪く思っていない、というのは素晴らしいですが、半田の責任ではない、といくら甘い言葉で飾ってみても、そこに真実はありません。

半田のせいで負けた、とはっきりと言えます。

それは、誰より本人がわかっているはずです。

ただ、だからといって彼を責めたいわけではありませんし、彼ひとりの責任でないことは確かです。

まだ若い選手。

この経験を糧にして欲しいと思います。

その事実を受け止めた上で、試合を検証していきましょう。

戦評

僕がここで書き続けていた禁断の宇佐美&ジェバリの共演で始まったこの試合。

体調不良の福岡に代わり、CBには江川が今季初スタメンしました。

序盤はウェルトンが、対峙した若い町田DF望月を圧倒。

大卒1年目のルーキーではまったく相手にならず。

前半9分。それを見越したDF中谷のロングフィードを受けると、宇佐美とのコンビネーションから望月の裏を取って先制。

ジェバリがポスト役として相手センターバックのラインを下げ、その前で宇佐美が触り、両サイドの突破力を生かす、という試合展開で相手を圧倒していました。

そんな中で、半田が2枚のイエローをもらって退場。

スピードに乗った平河を止めた1枚目は、厳しい判定でしたし、致し方ないかなと思います。

ただ直後の2枚目は、後ろを向いていた相手に足裏タックルと、もう言い訳はできません。

しかし10人になっても、1点のリードがあっただけに、まだ勝利の可能性は十分にありました。

ここで目を疑ったのが、山下の交代。

ポヤトス監督は、守備のハードワークもカウンターの長距離砲にもなれるスピードスターに代え、右サイドバックの松田陸を投入しました。

なぜ???

ポヤトス監督はこう答えています。

諒也を交代させたのは、スピード感がなくなるかなと思ったんですけれども、私たちの中盤のところを(宇佐美)貴史がしっかりと中に入って助けてほしかった、中に入れて中盤のところでボールを持ちたかったなという意図がありました。前半の終わりのところで得点が入ってしまったんですけれども、後半のところでも、こういった流れでしっかりとウイングを中に入れて、中盤のところでしっかりとボールを扱いたかったという意図がありました。

しかし実際は、右MFにウェルトン、左MF宇佐美と代えた布陣で、宇佐美は町田の右SB望月のオーバーラップに押し込まれ、守備に奔走させられることに。

前半終了間際、宇佐美が必死にかき出したボールで相手にスローインを与えると、ロングスローを起点に失点。

さらに後半、町田はボランチのファイタータイプ・宇野に代えて司令塔タイプ・下田を投入。さらにFW藤尾を右MFに置き、中で勝負できる枚数を増やしてきました。

一方、ガンバはトップ下がおらず、その広い守備範囲をジェバリがカバーできるはずもなく、相手ボランチが迷いなくひとりは攻撃参加できる状況に。

ずるずると最終ラインは下がり、攻められる回数が増えると、61分にPKで失点。

これもボックス内までラインが下がり、相手FWデュークにポストプレーを許して、その落としに進入してきた藤尾をダワンが倒してしまいました。

さらに69分、江川が藤尾に入れ替わられて左サイドのポケットを使われ、そこからシュート。

一森がはじき出しましたが、そのこぼれ球を町田は下田→仙頭とつないで失点に。

こぼれ球をダイレクトでつないだ下田の正確なパス、すでにボックス内でチャンスを狙っていた仙頭のポジショニングと、両ボランチにやられました。

黒田剛監督からすれば、してやったりの2、3点目だったのでは。

その後、町田が守りに入ったこともあって、終盤は押し込む時間帯もありましたが、結局ゴールは割れず。

1-3。

7年ぶり首位浮上の夢は砕け散りました。

採点&寸評

GK 22 一森 純【5・5】失点は責められるものではありません。ただPKは少し動くのが早かったのかな…と。

DF 3 半田 陸【3】ここでかばっても、何の慰めにもなりませんので。1枚目のイエロー、同世代の相手に負けてはいけないという思いがファウルに。これは仕方がないかもしれません。しかしその興奮を、コントロールできていなかったことが2枚目に。能力が高いことはわかっています。自分を抑えることができなきゃ、一生赤木に勝つことはできん。スラムダンク・陵南・田岡監督の言葉を贈りたいと思います。

DF 4 黒川 圭介【5・5】退場者が出てからは、単騎のドリブル前進で最近は見せていなかった推進力を見せてくれました。ただ、中の枚数も足りない中で厳しい戦いでした。

DF 20 中谷 進之介【6】先制点につながったウェルトンへのロングフィードや、町田のクロスをはじき返す強さなど、3失点したからといって責められるパフォーマンスではありませんでした。劣勢でも最後まで勝利を諦めない姿にも、胸を打たれました。

DF 24 江川 湧清【5】今季初スタメン。スーパーブロックで1点を防いだ一方で、3点目は背中からマークしているにも関わらず、入れ替わられる不用意な対応で決定機を招く失態も。

MF 16 鈴木 徳真85’【5】守備だけに奔走させられる展開となれば、持ち味はでません。致し方なし。

MF 17 山下 諒也37’【5・5】悔しかったでしょう。それでも交代時、味方に託した姿は立派でした。

MF 23 ダワン【5】PKは厳しいとも言えますが、ボックス内で後ろから接触したら取られても仕方ありません。前に他の選手もいただけに、何とか踏みとどまって欲しかった…

MF 97 ウェルトン【6・5】前半30分までのプレーは、まさにアンストッパブルでした。しかしその後は戦術の被害者となり、右へ左へ奔走し、疲弊しきってFWへ。無理させました。

FW 7 宇佐美 貴史71’【5】退場者が出た後は、もう少しチームを落ち着かせて欲しかった、というのが個人的感想です。プレーも一発狙いのミスが増えましたし、何よりあんなに興奮した中で、相手をおちょくるような持ち味が出せるのか、と。守備のタスクが増えたことはお気の毒でしたが。

FW 11 イッサム ジェバリ71’【4・5】さすがのキープを見せる場面もありましたが、昌子源のマークに捕まるシーンも多く、ポストとしても十分とは言えず。10人となると、やはりその活動量の少なさはチームをさらなる苦境に陥らせました。やっぱり、宇佐美との同時起用は辞めた方がいいのでは…

【途中出場】

DF 46 松田 陸37’【5・5】スクランブル出場でよく平河に対応したなと。

MF 47 ファン アラーノ71’【6】チームの熱量をもう一度上げてくれました。しかし決定的な仕事はできず。

MF 6 ネタ ラヴィ85’【―】時間短く採点なしも、退場した半田に寄り添う姿には、キャプテンシーを感じました。

FW 13 坂本 一彩71’【5・5】最後までゴールを目指す姿勢は素晴らしかったです。

ダニエル・ポヤトス監督【4】いつもとは違う興奮状態に陥っていたチームをコントロールできず。さらに半田退場後、山下を代えるという悪手で勝利の可能性を消してしまいました。個人的は、ジェバリを下げて宇佐美を1トップにした4-4-1でしのぐべきだったのでは、と感じます。しかし久々先発のジェバリに気を使ったのか…正直、優しさが仇となったと見えました。適切な交代策で、チームを逆転に導いた敵将との判断の差は明確。半田に続く戦犯は、あなただったと感じています。

あとがき

試合後のSNSなども一通り見た感想は…

ああ、町田の土俵に引きずり込まれてしまったな、と。

元来、おとなしめな我らガンバが、町田の挑発に乗って熱くなり、その反動で退場者まで。

粘り強い守備も見せられず、今季初の3失点。

相手は、こちらが興奮してもどこか冷めたような目で対応していたように見えました。

昌子を除き。

判定にはもちろん不満ですし、選手を責めない、という考えも、決して否定しません。

ただ自分たちの悪いところは悪い、と認めてこそ、ここから前に進めるのではないか、と感じます。

開幕戦ではリードした町田が前半に退場者を出し、ガンバが終盤に宇佐美のFKで追いついて1-1。

ほぼおなじシチュエーションで、1-3と負けたのですから、町田の方が強かった、と言うしかありません。

負けた悔しさを相手サポの少なさにぶつけるようなダサいことはやめて、もっとガンバを純粋に応援しましょう!

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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