前書き
誰かを責める気は沸きませんでした。
いつでも特別な浦和レッズとの戦いに、力が足りずに負けました。
We are Reds
の大音量にかぶせるサポーターの熱量は素晴らしかったし、選手達の必死さも伝わりました。
ただ、ピッチでの戦いは、どこか乾いた必死さ、にも見えました。
一瞬の温度は高くとも、そのプレーが切れた瞬間に一気に温度が下がる、というか。
もっと粘着質で、しつこくて、格好悪くて、泥臭いプレーが見たかった、というのも本音です。
スコルジャ監督の復帰を受け、守備一辺倒でも耐えて勝利を、という現実を受け入れた浦和レッズが見せたように。
10年ぶりに復帰した原口元気が、本当に勝利のためだけにプレーしたように。
現実を見つめれば、今季の優勝はもう難しいのかもしれません。
それでもまだ諦めたくない、という思いが胸の内に残っている限り、最後まで書き続けようと思います。
戦評
形としてはいつも通りですが、右にウェルトン、左に食野を配置。
これは左肩上がりが予想された浦和の配置から、最大の武器ウェルトンをできるだけ高い位置に置くための狙いだったのでしょう。
左サイドでボールを回しながら、アイソレーション(一人を孤立させ、1対1を仕掛けるための戦術)で右に大きく張ったウェルトンに届ける、という狙いは見えていました。
さらに外を意識させておいて中央に刺し、前半35分には坂本が狙ったミドルなど可能性を感じるプレーもありましたが、個に依存した攻撃で前半を終了。
失点シーンは食野がドリブルでの中央突破を許し、カバーに入った徳真の逆を取ったサイドの渡辺がフリーに。
最後、ゴール前でもダワンと松田が中央の一人を見てしまったことで、大外の関根にヘディングでたたき込まれました。
ズレがズレを生み、喫した失点。
しかしまだまだ時間はありました。
低いブロックを敷いてきた浦和に、宇佐美や食野ら狭いスペースでのプレーが得意な選手達が近い距離感でパスをつなぎ、リズムをつくりかけているように見えました。
しかし直後、ポヤトス監督は食野、徳真に代えて、山田、美籐を投入。
さらに10分後には坂本、松田に代えて、山下、岸本も投入。
攻守の切り替えを速め、高い位置でのプレスによってショートカウンターを発動するダイナミックな展開に持ち込もうとしているのように見えました。
ただ宇佐美をはじめ、この時間にはすでに切り替えのスピードが落ちていた選手もいる中で、浦和は最初から引くこともいとわない状況で、効果的とはいえず。
押し込んだ中でサイドからクロスを入れても、なかなかポイントは開かず・・・
ボックス内では個人能力で何とかしようとしましたが、最後までこじ開けることはできませんでした。
これでスコルジャ率いる浦和には5連敗。
首位町田との勝ち点差は、残り8試合で10まで広がりました。。。
採点&寸評
GK 22 一森 純【5・5】キック精度、ハイボール処理の怪しさと、ややらしくない面がビルドアップのミスはできれば1試合1本以下に抑えて欲しいところです。
DF 2 福岡 将太【5・5】カバーの鋭さ、危機察知能力の高さは見せていましたが、結果として前半セットプレーのチャンスを決めていれば、という試合に。
DF 20 中谷 進之介【5・5】パワープレーのターゲットとしては頼りになりましたが、、、競り勝ってもチームとしてそのボールへの反応が、浦和に送れていましたね。
MF 16 鈴木 徳真57’【5・5】あの時間に代えられるほど悪いパフォーマンスにも見えませんでしたが、確かに追う展開でスタミナ面の不安はあったのかも。セットプレーは宇佐美より精度がよく、一番いやなペナ外に宇佐美を配置することを考えると、彼が蹴った方がいいような気がします。
MF 23 ダワン【5・5】早い時間のイエローは余計でしたが、攻守で最後まで奮闘。次節、累積で不在となることがチームにどんな影響を与えるか。
MF 97 ウェルトン【5・5】突破力はすでに十分に警戒されている中で、クロスへの入り方やフィニッシュへの絡み方など、ゴール前での脅威となる工夫が欲しい・・・
FW 13 坂本 一彩【5・5】一瞬の隙をみつけての一振りは、先輩宇佐美をほうふつとさせる鋭さでしたが、やはりあの距離からニアに決めきる力はまだないか・・・
【途中出場】
MF 15 岸本 武流66’【5・5】見せ場は1本放ったクロスもどきループだけでしたが、おとりになるランニングは愚直に。
MF 17 山下 諒也66’【5】スペースがない展開では、精度の低さがどうしても目に付きますね。シュートの選択も悪くはないのですが、DFの当たる可能性高すぎのコースだったので。
MF 9 山田 康太57’【5・5】宇佐美が下がる分、ゴール前とバイタル付近でとにかく走りまくりましたが、報われず。
あとがき
ここで現実を見つめてみたいと思います。
今季挙げた13勝のうち、ボール保持率50パーセント以上での試合は3試合のみ。
ここ7試合で2分け5敗と2か月以上、リーグ戦で勝利がない中、ボール保持は6試合で55%以上をたたき出しています。
つまり今のガンバは相手チームから
ボール持たせとけよ、怖くないから
と思われているということ。
ジェバリが負傷し、林は加入から2か月間出場すらなし、というリアルストライカーが不在の中で、結局はこの問題に再び向き合うことに。
このままじゃいけない。
しかし、できることは決して多くはないかも知れません。
でもガンバ大阪には、最後まで格好悪くもがき続けて欲しいです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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