【忖度なき採点&寸評】屈辱の幕開け…大阪ダービー5失点大敗という現実とどう向き合うべきか。昨季への回帰か挑戦の継続か。2025/2/14ガンバ大阪2-5セレッソ大阪

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こんなにつらい開幕は初めてである

みなさま、こんな形でお会いしたくはありませんでした。

ワクワクしかなかったダービー開幕戦、まさかこんな形で迎えるとは。

名和田我空という明るい光も加わった初戦に、まさかこんな屈辱を味わうとは、想像だにしませんでした。

しかし、これが現実。

吐きそうな思いをかみしめつつ、試合を振り返っていきます。

戦評

開幕前から相当な注目を集めた名和田我空がまさかのスタメン。

アラーノ、ウェルトンがベンチにもいないとはいえ、Jリーグで経験を積んできた南野や唐山、さらにジェバリを差し置いてのスタメンは驚きでした。

ルーキーらしく積極的な姿勢と、物怖じしない立ち居振る舞いには、大器の予感も。

ただこの試合は、結果として未来への投資、をすべきタイミングだったのか、という結果になってしまいました。

前半7分、昨季の堅守は2024年においてきてしまったかのようなあっさりとした失点。

相手陣内のビルドアップに引き出されたネタ、さらに中央から右に流れた北野に中谷が引っ張り出されると、ネタの戻りが遅れた中盤中央のスペースががら空きに。

中央を経由され、ガンバの左サイドに展開されると、ここでも奥抜の帰陣が遅れてあっさりと前に。

中谷、そしてDFラインはずるずると下がりましたが、両ボランチのネタ徳真には危機感が足りませんでした。

DFラインと中盤の間にできたスペースを香川に突かれ、中谷がファウル気味に止めましたが、これが流れた北野に決められて失点。

攻から守、でもなく、ただ守備への意識の低さが失点を招いてしまいました。

それでも、ビルドアップにこだわるセレッソに対し、まだ足が動いていた前半はミスを誘い、高い位置から攻撃を仕掛けるシーンもありました。

守備がはまった、というよりは、相手のミス、という印象が強かったですが・・・

前半30分、押し込んだ状態でボックス付近中央にポジションを取った半田が、宇佐美からのパスをカットしようと飛び出してきた香川をフィジカルではじき飛ばし、前を向いた状態に。

宇佐美が中盤にいることを見たネタが、判断よく前線に侵入し、しっかりと決めてくれました。

それでも後半立ち上がり。

ふんわり入る、の辞書に載せたいぐらいのプレーで失点。

左サイドでルーカスと対峙した奥抜が、一度あっさりと中央へのクロスを許すと、それがもう一度同サイドに戻ってきた際にもクロスを許し、これが北野の2点目につながります。

クロスはあげさせてもしゃーない

とドイツでは教わってきたとしか思えないプレーで一歩前に出られてしまうと、この緩さが伝染したのか、さらに7分に失点。

相手陣内深くでのスローイン。一度ははね返してルーズボールになったのに、このときはトップ下にいた宇佐美、そして最前線の名和田は足が止まっており、あっさりと左への展開を許してしまいます。

このボールを展開したのが香川。

その香川がするするとゴール前に向かう間に、ガンバの右サイドで1対1にさらされた半田は、阪本にシュートまで持ち込まれました。

しかし中谷が何とかブロックしましたが、このこぼれ球を拾ったのは相手ボランチのはずの香川。

また? ネタと徳真は何してんねん?

あっさりと決められ、1-3に。

ほぼ勝負ありかと思われましたが、ここで黒川のゴラッソが生まれます。

右サイド、ネタの縦パスを宇佐美がふわりと裏に出し、名和田がちょんとつないで半田がクロス。

逆サイドから走り込んだ奥抜には合いませんでしたが、黒川の左足で2点差に。

ここから反撃ムードを高めたかったのですが、63分にはセットプレーから失点。

これはゾーンで守っていたところ、決してセンターバックとしてはヘディングが強いとはいえない福岡の守るポイントに、高精度のキックとタイミングいいヘッドが合ってしまいました。

もう正直、これで勝負あり。

アディショナルタイムの福岡空振り→中谷あっさり抜かれの失点はもう、論ずるにも値しない、といった場面でした。

GK 22 一森 純【4・5】個人としてミスがあったわけではないですが、なすすべなく5失点。どのシュートも、止めるべきシュートとは言いにくいものの、当然合格点、というわけにはいかないですよね・・・

DF 2 福岡 将太【3・5】セットプレーで競り負け、豪快な空振りで2失点の元凶に。昨季かなり成長した選手ではあるはずなのですが、開幕戦からやらかし癖を披露してしまいました。

DF 3 半田 陸【4・5】攻撃で2点に絡んだ点は評価できますが、守備では1対1の場面で強さを発揮できず。攻めれば守備がお留守になるようでは、本物のサイドバックとは言えません。

DF 4 黒川 圭介【5】ゴールはすばらしかったですが・・・奥抜と絡んでの攻撃参加も多いとは言えず、これ以上の評価はできない気がしました。

DF 20 中谷 進之介【4・5】昨季の堅守を支えた壁も、もろくも崩れ去りました。スペースがある中での守備は、やはりそこまで得意ではないのか。

MF 6 ネタ・ラヴィ(73分交代)【4・5】J初ゴール含め、攻撃面はやはり違いを出せる選手なのですが、ダワンとの最大の違いである守備の緩さはふんだんに出してしまいました。体力的にも後半にがくっと落ちるのも、変わっていなくて不安しかないです。

MF 16 鈴木 徳真(87分交代)【4】ネタとのダブルボランチでは、補完し合えないのでは、という不安をここまではっきり露呈させてしまうとは思ってもみませんでした。ダワンがいてこそ、輝く選手だったのか。スペースがある中での守備は、本当に絶望的でした。

MF 38 名和田 我空(65分交代)【5】期待はします。もちろんデビュー戦ですし、いきなりゴールを求められるなんて厳しすぎるのもわかっています。ただ、入る見込みの薄そうなシュートを思い切って打ち、決定機はふかしたプレーを、爪痕を残した、とは言いたくありません。厳しいですが、あなたと北野颯太との差が、勝敗を分けたと言えます。でも、あなたはここからです。

MF 44 奥抜 侃志(87分交代)【3・5】強度も、走力も、得意だと触れ込みのドリブルもほとんど見えませんでした。守備ではこの敗戦でもっとも重い後半立ち上がりの失点を招く結果に。大反省を求めます。

FW 7 宇佐美 貴史【4・5】随所で見せるセンスやテクニックはもちろん高いのですが、昨季の好調時にあったような鬼気迫るプレーはまったくなし。昨季で満足してしまったのか。この大敗で、目を覚まして欲しいです。

FW 17 山下 諒也(73分交代)【5】名和田へのラストパスはまさに1点ものでしたが、それ以外には存在感を出せず。やはりロングカウンターに生きるタイプなのか、という印象も強いです。

交代選手

MF 10 倉田 秋(65分IN)【4・5】強度を出したい時間帯で投入されたことは理解できますが、やはり彼ひとりでは難しいなと。ポジションのたらい回しには同情すら感じます。

MF 27 美藤 倫(73分IN)【5】この展開で、ひとりで何かしろというのは能力も経験も足りないのかなと。ただネタ&徳真コンビが厳しいのであれば、あなたにがんばってもらうしかありません。

FW 11 イッサム・ジェバリ(73分IN)【5】18歳のルーキーに先発を明け渡した心境は、やはり難しいものがあったはず。ただ、それでも先発で使われないという事実は、かなり重い気はします。

FW 40 唐山 翔自(87分IN)【―】時間短く採点なし。しかしダービーへの思いをプレーで表現してくれました。期待。

FW 42 南野 遥海(87分IN)【―】時間短く採点なし。しかしダービーへの思いをプレーで表現してくれました。期待。

ダニエル・ポヤトス監督【3】宇佐美、名和田、奥抜と前線に強度を出せない選手がそろい、さらに中盤のハンター役でもあったダワンが去った中で、前からの守備はもはや勇敢ではなく、無謀だったのでは、。早急に修正しなければ、昨季積み上げた信頼も崩れ去るのは早いです。ただダワン、坂本を抜かれて、まだストライカーも取れずに開幕を迎えた現状には同情も。

あとがき

まさか初戦からここまでぼろくそ書くとは思ってもみませんでした。

お気を悪くされた方がいたなら、申し訳ありません。

結果的には前半こそ互角といえたものの、後半開始直後の失点で前掛かりとなり、さらに体力が落ちてきた中ではプレスの強度をまったく出せずにセレッソのやりたいことをやらせ、さらにミスも絡んでの大敗、という結果。

今季目指すはずのアグレッシブな前からの守備は、今のメンバーではまだ付け焼き刃感の強いセレッソにすら通用しないことがわかってしまいました。

中谷の言葉は、相当重く感じます。

インテンシティー(強度)が出ないのであれば違う戦い方や、それに見合った戦い方がある。今からインテンシティーを出して守備強度を上げようと言っても難しいところはあるので、いろんな考え方は出てくる

キャンプから積み上げたものをこの1敗で捨て、昨季の形に立ち返るべきなのか。

しかしダワンがいない中でも、そのサッカーは展開できるのか。

不安しかありません。

ただ一つ言えることは・・・

戦い方が定まらない中で勝てるほど、Jリーグは甘くない。

前途多難な初戦に、不安ばかりが募りますが・・・

勝っても負けても、応援していくという事実だけは変わりません。

今年も読んでいただける方々とは、傷をなめ合い、喜びを分かち合えればと思います。

さあ、覚悟を決めて次節から新たなスタートを。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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