15年以来の天皇杯優勝はまた夢と散る…
かつて天皇杯と言えば、我らガンバ大阪のための大会である、と思えた時期もありました。
2014年、決勝で山形の挑戦を退け、2015年には宿敵浦和を倒して、賜杯を掲げた日から、もはや10年がたちました。
まだ優勝すら想像できない3回戦で、今年の挑戦は終わりました。
昨年神戸に敗れた決勝の屈辱を晴らすための今大会。
メンバーはリーグ戦から多少は入れ替えたものの、将来的な成長を期待したい若手の起用は少なく、ターンオーバーで起用した中野が失点に絡むという事実。
退場者を出して苦境に陥っても、選手たちは最後まであきらめずに戦ってくれました。
しかし失ったものは多く、得たものは少ない大会に。
2025年、この敗戦で現実的には無冠が決定したと言っても過言ではありません。
PK戦で敗れた後に見せた宇佐美の魂が抜けたような表情が、なぜか目に焼き付いています・・・
PK戦(3-4)
ガンバ大阪 宇佐美× ウェルトン〇 ジェバリ〇 岸本〇 満田×
山形 高橋〇 坂本〇 吉尾〇 阿部〇
採点&寸評2
GK 22 一森 純【5・5】延長戦でのビッグセーブもありましたが、唯一の弱点と言える身長や手足の長さ不足により、ボールをはじき出せなかったことが失点につながるシーンも。しかしPK戦を含め、彼を責めることなどできません。
DF 3 半田 陸【5・5】古巣を相手にハードかつ、レベルの高いプレーは見せてくれました。しっかりとガンバ大阪の選手として、足がつっても勝利のために最後まで走ってくれましたが、結果にはつながらず。
DF 20 中谷 進之介【5・5】3失点目のシーンでは簡単に折り返しを許すなど、隙をみせてしまった点は否めません。ただ最後にPK戦へと持ち込む魂のゴールから、足がつってのパフォーマンスはさすがでした。ただ守備面の改善は、リーダーとして必須です。
FW 51 満田 誠【5・5】CKと黒川のゴールで2アシスト。それ以上にトップ下、ボランチでも最後まで走りきった姿には心を動かされます。PK失敗について、責める気はありません。
途中出場
DF 2 福岡 将太91’【5・5】三浦の後を次いで出場。彼が足をつったことはないなとふと思いました。
FW 97 ウェルトン55【5・5】決定機で大きく枠外に飛ばしてしまうなど、まだ乗り切れぬまま。らしいボールキャリーも少しはありますが、決定機までは持ち込めません。コンディションの問題なのか、それともプレースタイルがわかりやすすぎて対応されているのか…。
あとがき
過去の天皇杯成績を振り返ってみました。
年度 ラウンド 対戦相手 試合結果
2015年 優勝 決勝 vs 浦和レッズ 2–1(○)
2016年 準々決勝 vs 横浜FM 1–2(●)
2017年 4回戦 vs 柏レイソル 2–3(●)※4thラウンド=4回戦
2018年 2回戦 vs 関西学院大学 1–2 延長(●)
2019年 3回戦 vs 法政大学 0–2(●)
2020年 準優勝 決勝 vs 川崎F 0–1(●)
2021年 準々決勝 vs 浦和レッズ 0–2(●)
2022年 ラウンド16 vs 鹿島 0–2(●)
2023年 2回戦 vs 高知U(高知ユナイテッド) 1–2(●)
2024年 準優勝 決勝 vs ヴィッセル神戸 0–1(●)
10年間で、大学生に2度、JFLに1度、そしてJ2に1度と、計4度のジャイキリを食らっています。
ポヤトス監督はこう話しています。
ゲームとしては痛い敗戦になったなと思います。まず立ち上がりの入り方のあの姿勢に関しては、自分自身好まない姿勢でした。立ち上がり、ふさわしくない姿勢で戦った中で、2失点をしたあとにチームはリアクションを示し出した。そこから同点に追いつき、仕留めるチャンスがあった中で仕留め切れなかったというところがあって、ゲームを終わらせることができなかった。
格下相手に、またもふわっとした試合の入りをして2失点。
ガンバに染みついた、どこかカテゴリーが下のチームには上から目線の戦いを見せて痛い目を見る、という悪癖は、どうやっても抜けませんでした。
今季のタイトル獲得が現実的には困難となったことで、クラブはポヤトス監督の去就について判断すべきタイミング、と言えます。
リーグ戦は10位、首位との差は13で、降格圏との差は9。
今年は最後までポヤトスに任せ、残留を決めたら今季限りでの退任を決める。
それが例年なら、普通の流れではないかと思います。
ただ今年は、ACL2があります。
ACL2は1次リーグは今季中9月~12月に行われ、決勝トーナメントはJ1リーグがシーズン移行のために半年間開催となる来季2月~決勝は5月に行われます。
今年の広島を見ていると、アジアの対戦相手の力はACLエリートとはやはり差があるだけに、ガンバにとっては是が非でも取りたいタイトル。
そうなると、すでに今季の退任は避けられないポヤトスに、その大会を任せていいのか・・・
来年このクラブにいない監督が、若手を伸ばすことも念頭に置きながら、ACL2の1次リーグを戦うことができるのか・・・
今、クラブはこういったことを考えていると推察されます。
ただ次期監督として候補に挙がるのは、湘南・山口智が筆頭ではないか、と私は思っています。
ただ彼も現在、湘南で残留争い(17位)と苦しんでおり、今シーズン中の招聘は困難です。
現在フリーの監督で少しでも期待できそうな人物が誰かいるのか、と考えてみると、元鳥栖で今夏横浜マリノスとの契約が目前で破談となった川井健太、または元浦和、札幌のミシャ・ペトロヴィッチ、ぐらいしか思いつきません。
それともまた松田氏をリリーフとして起用する、などの手を打つのか・・・
現実から目をそらし、今年は現体制でいくのか。
まさに現在の気候のように、非常に息苦しく、悩ましい時期に入ってきてしまいました。
みなさんの意見などもぜひ、お聞かせ願えると幸いです。
今日はこんな重苦しい文字を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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