前書き
今年もこの日が来てしまいました。
怒りを、あきらめが超える感情。
怒りにはエネルギーが必要。
ただいくら怒っても、今シーズンのチームが何かを勝ち取ることはないんだという現実を、自然に悟るような感覚です。
ジェルマンの登録ミスさえなければ、ACL2優勝は堅かったのでは、と想像できる広島に対し、前半は歯が立たず。
中途半端なプレスが続く中で、広島3バックの一角で、キック精度には定評のある塩谷をフリーにすると、ロングパス一発で失点する始末。
しかも半田陸が、広島のルーキー中村についていけない、という事実は、ガンバからE-1選手権に誰一人選出されなかった理由を示されてしまいました。
後半、今季一番のフィーリングを見せていたアラーノの奮闘で流れを奪い返そう、という中で見せた、安部のカンフーキック。
ポヤ将が見せた叫びは、ネタラヴィを強奪されて安部、鈴木を軸に戦うしかない中での2試合連続退場の愚行への怒りと、それを招いた強化部に対するいらだちが、ミックスされていたように思います。
採点&寸評
先発メンバー
GK 22 一森 純【6】立ち上がりはひやっとしましたが、後半の連続セーブはじめ気を吐く展開に。倒れてから起き上がる速度はすばらしいなと。キックもいい場所を見ていましたが、チームメートと意思疎通できない場面も。
DF 3 半田 陸【4・5】中村に着いていけなかった先制点は、80パーセントが彼の責任。一瞬の隙がチームの敗戦に直結しました。
DF 4 黒川 圭介 80【5】攻撃も守備も、中途半端に。ウェルトンとのコンビにも限界を感じます。
DF 5 三浦 弦太 80【5】失点シーンは大外の半田がついていくべきとはいえ、背中を走らせた責任はあるかと。ジャーメインに走り負けてファウルしたシーンも含め、かつての力強さはまだ戻っていないのか。
DF 20 中谷 進之介【5・5】苦しい展開の中でも、何とか状況を変えようという気持ちの強いプレーは見られましたが…
MF 13 安部 柊斗【3】すばらしい崩しだっただけに、飛び込みたくなる気持ちはわかりますが…トラップが離れたところは自分の責任。危険なプレーだったことは確かなので、退場も致し方なし。そして2試合連続退場で、チームに与えた影響は計り知れず。VAR見ろよ!という態度でピッチを去って行く姿には、怒りしか浮かびません。
FW 11 イッサム ジェバリ 80【5】チームとしていい形でパスが入ることは皆無でしたが、そんな時にできることが少なすぎました。ハードワークやヘッドの競り合いでもう少し存在感が欲しかったなと。
FW 51 満田 誠【5】ただただ、普通の選手に。ハードワークしてくれていることは認めますが、複数ポジションでの使い回しで彼の良さを出し切れていない印象。
FW 97 ウェルトン 65【4・5】いつになったら、本来の姿に戻るのでしょうか。前半は中寄りでプレーしましたが、良さよりボールタッチのミスが目立ってしまう始末。後半のシュートチャンスも力が入りすぎ。もしや昨季ができすぎたったのか…と思ってしまいます。
交代出場
DF 15 岸本 武流 80【―】時間短く採点なし。
DF 2 福岡 将太 65【5・5】展開的に何かを生み出せるようなゲームではありませんでした。
MF 44 奥抜 侃志 80【―】時間短く採点なしも…サイドで1対1になった場面で仕掛けられなければ、あの時間帯で出てくる意味はありません
MF 47 ファン アラーノ 46【6】創造性あふれるプレーで、試合の流れを引き戻してくれました。11人のゲームでもっと見たかった…
FW 23 デニス ヒュメット 80【―】時間短く採点なし。
ダニエル・ポヤトス監督【4・5】ボランチの駒に満足していないのはわかりますが…前半から流れを奪われた戦い方含め、退場者が出る前から勝負には負けていました。宇佐美を外し、インテンシティーの高いチームで挑みたいのであれば、1トップはジェバリではなくヒュメットだったのでは・・・
後書き
この試合で感じたことのひとつが、ポヤトス監督の限界です。
その理由は、広島に圧倒された前半を、選手たちのせいにしてしまったコメントがあったからです。
前半のところで言うと、ピッチの中で選手が見て認知したことで選手たちが動いたと思うのですが、自分たちが準備していたことと少し違うような形になってしまい、起こしたい現象が起きなかったと思っています。そこを修正しながら後半に入れたことが良かったと思います。ボールをうまく循環させる上では前半の形ではいけないなと思い、修正しました。
準備したことは、広島さんが人に出てくる守備をされる中で、一森(純)を入れながらフリーマンを作り出していく狙いがありました。と同時に、塩谷(司)選手のサイドで優位性を作りながらうまく前進していきたいという狙いがありました。ただ、SBが中に入ってしまって、自分たちが作りたい優位性を自分たちでつぶしてしまっている現象が起きてしまっていました。
ポヤ将のコメントを読み解くと、一森とCBふたりで相手の1トップ2シャドーを引っ張り出し、さらにガンバのボランチ、SB、ウイングを広島のボランチ、WBのふたりで見る状況を作りたかったのではないか、と。
特にウェルトンが塩谷にドリブルで仕掛ける形を、作りたかったのではないか、と推察されます。
しかし、それは机上の空論に終わりました。
彼のサッカーを体現する上では、やはりゲームコントロールに長けたボランチが必要不可欠、というのが僕の意見です。
山本悠樹が去り、それがいない現実の中で、昨季は守備的なスタイルに行き着いた形でした。
そして今季はどちらも中途半端な形となり、26試合を終えて12位。
天皇杯もルヴァンも敗退し、優勝どころかACL圏争いも現実的には厳しい。
しかし9月には国際タイトルがかかるACL2が始まる。
このイレギュラーな現実に向け、クラブはどう考えるのか。
みなさんのご意見も、是非聞かせてください。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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