前書き
あなたは最近、誰かを叱りましたか?
叱ってはいけない、という風潮が根付いた昨今。
頭ごなしに叱ってはいけない。
感情的に叱ってはいけない。
プライドを傷つけるように叱ってはいけない。
それでもチームを束ねるリーダーは、叱るという行為を通じ、集団の方向性を修正する必要があるときもあるはずです。
いつもは温厚なポヤトス監督が、ハーフタイムに叱ったこの試合。
選手達は見事な反発心を見せてくれました。
戦評
ウェルトンが先発に戻り、岸本が負傷の右サイドには山下が移籍後初先発。
前半は川崎のパスワーク、そしてゴメスの存在感に押し込まれ、苦しい時間が続きました。
そんな中でガンバが生んだ天才・家長のアウトサイドループパスから失点。
なんちゅーことするんや・・・
と親不孝な放蕩息子のスーパープレーに頭を抱えた直後、宇佐美のFKから中谷の頭で同点に。
この1点は大きかったですが、内容としては押し込まれ、ボールを奪っても川崎のゲーゲンプレスを受けて、パスミスを繰り返すという悪循環に陥っていた印象でした。
するとハーフタイムには、ゴメスに自由を与えすぎていた福岡にポヤトス監督がカミナリ。
福岡選手のことは本当によく知っていて、今日は(バフェティンビ)ゴミス選手に突かれるなということは最初から分かっていました。やはりゴミス選手は素晴らしい選手ですし、体の使い方、コントロールもうまい選手に対して、本当にそこで前半のところのリアクションを示せよ、ということを彼には伝えました
どんな口調、勢いで伝えたのかはわかりませんが、後半にチーム全体のギアが上がったことは確か。
そして70分、宇佐美のCKから福岡!!
三浦の負傷によりCBのポジションを担う〝お祭り男〟が、大きな大きな勝ち越しゴール。
このCKを獲得するにあたり、やや前残りしていたウェルトンを生かしたカウンターでCKまでつなげたことも大きかったかなと。
1点リードを奪うと、相手の圧力ある攻撃をしのぎながら、チャンスをうかがう時間に。
そして80分、ダワンの中盤でのカットからショートカウンターを発動。
スピードを上げてゴール前まで運ぶと、最後は山下がよく見て倉田へ。
その倉田がねじ込み3点目。
セットプレーとカウンター。今年のガンバに足りていなかった要素で3ゴールを奪い、川崎に快勝となりました!!
採点&寸評
DF 3 半田 陸 5・5 前半は相手のプレスを受ける場面が多く、パスミスが散見。判断をもうワンテンポ速く。
MF 6 ネタ ラヴィ77’ 5・5 相手にボールを握られる時間が長く、プレスも速かったため得意のネターンも不発。特徴は十分には出せず。
MF 16 鈴木 徳真 5・5 連戦の中、小さなからだで奮闘する姿には頭が下がります。ただ終盤に向け、ミスが増えていることも事実。どこかで休養を与えるべきでは…
MF 97 ウェルトン77’ 5・5 ボールを持った時の迫力は抜群。しいていえば、やはり切り替えへの意識がやや低かったかなと。ただ彼が前残りしたときの怖さは、相手にとっては半端ないんやろうなあ…とも。
【途中交代】
DF 33 中野 伸哉85’ ― 時間短く採点なし。
FW 11 イッサム ジェバリ85’ ― 時間短く採点なしも、イライラしている様子は少し気になります。やはり今の起用法に、ストレスをためているのでしょうか。
FW 40 唐山 翔自90+2′ ― 時間短く採点なし。ジェバリだからって、遠慮はなし。
あとがき
誰かを叱る時に、適したタイミングとは。
たとえば、大きな失敗を犯した後に叱っても、それは選手には響かないのでは、と感じます。
かつて2失点を喫し、0-2で迎えたハーフタイムに「絶対先に失点すんなって言った試合で、なんで先にとられてんねん」とキレた某監督、現日本サッカー協会会長もいましたね・・・
1-1のハーフタイム、まだ取り返しがつく段階でカツを入れた判断は、後半のパフォーマンスを引き出す結果に。
監督の能力は、戦術などで評価されることが多いですが、いかにチームを引き締め、戦わせ、同じ方向を向かせるかは、戦術以上に重要な要素ではないかと。
戦術ばかりが取り上げられてきたポヤトス監督にとって、マネジメントで勝利に導いたこの試合は、転換点になるのでは。
そして我らがガンバは4位に浮上。
そろそろ来年のACLに向け、貯金が必要かな・・・
そんな捕らぬ狸の皮算用、いつ以来やろうか。
うれしいものです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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