【忖度なき採点&寸評】福田湧矢に愛を注ぐ。それはガンバ大阪を愛する、ということでもある。24/10/23ガンバ大阪3-2名古屋グランパス@パナスタ

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生え抜きが活躍する、という理想のクラブ

福田湧矢の決勝ゴールは、全ガンバサポが待ちわびていたのではないでしょうか。

もちろん、私も含め。

福田と言えば、東福岡出身ながら幼いころからのガンバサポを公言し、ガンバのためにピッチに立てばいつも全力を尽くしてきた選手。

しかしながら怪我に泣かされ、近年はピッチに立つ姿より、リハビリに苦しむ姿ばかりが伝わるように。

そんな選手が試合を決めてくれたことは、純粋にただうれしい。

一方で在籍7年間で、これがJ1での6点目。

J1でタイトルを狙うクラブのアタッカーとしては当然物足りない数字で、シビアに見るという点も必要でしょう。

それでも数字に残らない何かを、彼がこのクラブにもたらしていることは間違いないと感じています。

戦評

https://twitter.com/GAMBA_OFFICIAL/status/1848995272564560021
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宇佐美、徳真をベンチに置き、負傷中のウェルトンは不在。

本当の意味でのチーム力が問われる中で、序盤は名古屋のハイプレスを受けて後手に回る展開となりました。

無理につなごうとしても引っかけられ、長いボールは収まらない。

そんな中で与えたセットプレーから失点。

最悪した。

しかしそんな流れを変えたのが、美籐と坂本、という若いふたり。

マンツーマン気味にきた名古屋の守備に苦しむ中、押し込んだ状況から美籐がボランチからポケットへの意外性があるランニングで崩すと、ラストパスのこぼれを坂本が押し込んで同点に。

さらに食野、黒川が左サイドで押し込んでできたチャンスに、外をおとりにしながら仕掛けた坂本のシュートが相手に当たってゴールへ。

積極的な姿勢が、2点目を生みました。

しかしなぜなのでしょう。

攻撃が活性化すると、失点が増えるというサッカーあるある。

またもやCKから失点で同点に。

今季を支えてきた守備に隙が生まれたこの展開は、厳しく、ふがいないもののはず。

しかしそんな流れを、福田が変えてくれました。

投入直後にカットインからのシュートで期待感を抱かせると、相手クリアを敵陣で拾った展開から

鈴木縦パス→坂本落とし→宇佐美の丁寧ラストパス→福田右足ニアぶち抜き

相手の中央が一瞬緩んだ隙を見逃さずに奪ったゴールで、健太グランパスから勝利をもぎ取りました。

採点&寸評

GK 22 一森 純【7】無慈悲なセットプレーからの失点にも折れず、好セーブ連発で試合の形を保ち続けたことが勝ち越しゴールに。ぴりっとしないチームを鼓舞した姿勢も胸アツでした。

DF 2 福岡 将太【5】相手のハイプレスにはめられて効果的な配球ができず。こういう時こそ、あなたの持ち味を発揮してほしいところではありましたが…。1失点目のCKも何とかジャンプして相手の動きを制限するぐらいはして欲しかった。センターバックがゴール前で中腰になって上から得点を決められる姿は見たくないです。

DF 3 半田 陸【5】右サイドから中に入って偽サイドバックとして立つことで、何とか相手のマンマークをずらそうと奮闘。何とかしようとする工夫は見えました。ただ2失点目のクリアは、もっとうまくできたはずでしたね。

DF 4 黒川 圭介【5】1失点目はCKから相手選手をフリーに。チームとしてCKの守備はゾーンで守る中、唯一マンマークで相手の長身選手の動きを封じる役割を託されていますが、無力でした。攻撃面では左の相棒がウェルトンではなく食野、ということもありオーバーラップも増えましたが、SBはDFだともう一度心に念じて欲しいなと。

DF 20 中谷 進之介【4・5】1失点目のCKはあと1歩前に出ることができず競り負け。その後も右サイドでパスを引っかけてピンチを招き、ちんたら戻ってさらに決定機を招いたシーンは明らかに集中力が欠けていました。古巣相手に遠慮してるのか、と引っぱたいてやりたくなりました。ただそれ以外のプレーでは、やはり別格間も。わずかなミスでうだうだ言いますが、それだけ守備のリーダーとして責任が重いのです。

MF 8 食野 亮太郎60’【5】ボールが入れば持ち味の片りんは見せましたが、決定的な仕事とまでは行かず。ただ静かなる闘志というか、ボールがないときは冷静に周りを見て動き、ボールが入れば一気にパワーを開放する、という姿勢は見えたのかなと。及第点とは言いませんが、そこまで悪くはなかった印象でした。試合勘不足かボールへの反応も遅かったので、天皇杯に期待。

MF 9 山田 康太74’【5・5】チームとして相手のハイプレスに苦しむ中でも、守備のスイッチ役やボールの引き出し役として奮闘。彼とイサのコンビなら、やはり前線の守備はかなりスピード感が上がりますね。

MF 17 山下 諒也87’【5・5】またしても最後の精度が…。決定機でポストに当ててしまい、まるで呪われているかのようにいまだリーグ戦ノーゴール。ただ存在自体が相手にプレッシャーを与えており、1得点目につながった美籐に出したパスなど周りを生かすプレーも悪くはありませんでした。

MF 23 ダワン87’【5】ニアのボールに反応できなかった2失点目のCK対応は反省材料。美籐を生かしつつ、中央で構える時間は多かったですが、相手のプレスを回避する手立てはなし。

MF 27 美藤 倫60’【6】同点ゴールにつながったようなダイナミックな走りが、彼の真骨頂なのでしょう。大きなミスもなく、先発で持ち味を発揮できるようになったことは、来季以降にさらなる期待を抱かせます。

FW 13 坂本 一彩【6・5】ストライカーらしい2ゴールで、チームを勝たせました。得点だけ見れば7をつけてもおかしくない出来ですが、センターFWとしてのキープや体を張る部分ではやや後手を踏み、ピンチを招く自陣でのロストもあったことから6・5に留めました。

【途中出場】

MF 10 倉田 秋87’【―】時間短く採点なし。

MF 14 福田 湧矢74’【7】果敢に仕掛ける姿勢で流れを引き戻し、ワンチャンスを仕留めた。交代選手としては完璧。彼の苦労を知るガンバサポにとっては、今季のハイライトになりうる光景でした。

MF 15 岸本 武流87’【―】時間短く採点なし。

MF 16 鈴木 徳真60’【6】福田のゴール時、起点となる縦パス。あそこで横の宇佐美に出すのではなく、頂点の坂本にスパッと出せたことで、落としに宇佐美が前を向くことが可能に。地味ながら大きな一本でした。

FW 7 宇佐美 貴史60【6】あのラストパスは彼なら当然でしょう。ただそこに詰まった愛は見届けました。やるべきことをしっかりこなし、チームも鼓舞した姿勢は大きかったです。

ダニエル・ポヤトス監督【5・5】名古屋のプレスに対する修正には時間がかかった印象で、相手の足が落ちてくるまでは苦戦。一森のファインセーブがなければ、その時点で厳しい試合になっていました。しかし交代策で試合を動かした点は、これまでの試合とは違う点でした。

あとがき

我々ガンバサポにとっては、これ以上ないエキサイティングかつエモーショナルな試合でした。

一方で名古屋にシュート数(ガンバ12本、名古屋19本)は上回られ、試合展開としては決して褒められた内容ではなかったかと思います。

しかし宇佐美のファンタジーやウェルトンの無慈悲突破に頼らず、チームとして前進しようとした結果、ラインは

前回の記事でポヤトスの続投or解任に触れたことで、大きな反応をいただきました。

勿論、僕ごときの駄文が何かクラブに与える影響はないですし、一生懸命やっている監督や選手に失礼だ、という意見も受け止めます。

一方で長くガンバ大阪をサポートしている方の中には、勝てば万事OK、負ければ全てがNG、という目では、もう見られない人もいると思います。

それは今季初ゴール、怪我がちの25歳、福田湧矢の存在価値を肯定するところとどこか似ているやもしれません。

精一杯、愛情を込めてパスを出しました。どうにかして数字をつけてほしいと思っていたので、湧矢に1点が生まれて僕個人としてもすごくうれしいです

この宇佐美貴史のコメントを読めば、壮絶なリハビリを乗り越えてピッチに立つ彼が、チーム内でどういう存在であるかを理解できます。

もちろん勝ってほしいし、優勝してほしいし、選手には活躍してほしい。

ただクラブを応援する、ということには、それ以上のものがあります。

目標を達成(今季ならば7位以内)しても、それは来年のさらなる上昇につながるのか。

力を発揮できない選手を「プロだから」と切り捨てることは、チームにとっては正しい判断なのか。

そんなことを頭の片隅に置いてガンバ大阪を応援している、ただの変人がいることも、ご理解いただければ幸いです。

内容的にはまったく褒められたものではない中で、打ち合いを制したこのゲームは、今季のガンバ大阪の勝ち筋とはまったく違う試合でした。

これが、ガンバの未来にどういった影響を与えるのか。

さあ次は天皇杯。

試合後は忖度なくああだこうだ言いますが、試合になればただ純粋に勝利のために応援します。

皆様、きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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