『再掲』【忖度なき採点&寸評】赤いパナスタで現実を知る。目指す場所の差、監督の差…浦和さん、またライバルと呼んでくれますか

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【2021年振り返り】

新ブログ移行に際し、昨季多く読んでいただいた記事を再掲いたします。

去年の苦難を思い出すとともに、初めて見る方には同ブログのトーンなどを知ってもらえれば、と思います。

まずは天皇杯準々決勝で完敗した浦和戦。

浦和レッズのことをやはり最大かつ最強のライバルと見るガンバ大阪サポーターにとっては、両クラブの現在地の絶望的な差を目の当たりにされたことに加え、ホーム・パナスタを赤く染められる屈辱も重なり、ショッキングな一戦ではあったと思います。

【GambaEcho】ガンバ・エコー2021年10月28日 11:26

目次

目次

  1. 【前書き】
  2. 【戦評】
  3. 【採点&寸評】
  4. 【途中出場】
  5. 【あとがき】
  6. 【サポートのお願い】

【前書き】

わかっていたんですよ・・・

こうなる可能性が高いってことは・・・

ただ、浦和相手に現実をみせられるときついっす。。。

天皇杯はパナスタ開催とはいえ、中立地扱いとあって、浦和サポに約半分が赤く染められていました。

試合後、浦和GK西川選手はこうコメントしています。

「自分たちはACLを本気で狙っていますし、(天皇杯は)一番近道ができる大会だと思っていますので、なんとしてもタイトルを獲って来年につなげていきたいと思います」

「ウォーミングアップのときから、浦和サポーターの方がたくさん来ているのが分かりました。さらにスタンドを赤く染めてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。これぞ浦和レッズのサポーターだと思いましたし、僕自身鳥肌が立っていました。久しぶりに、アウェイの地で浦和サポーターが来てくれている環境を感じられました」

本気でACLを目指している浦和と、口ではタイトルを、と言いますが、今季はとにかく残留だけが目標のガンバ。

その差がはっきりと出てしまったなと。

【戦評】

画像1を拡大表示

リーグ戦では2トップの一角に白井を使い、守備とカウンターという要素を強めていたように見えましたが、きょうはパトが先発。

一方でボランチには山本ではなく奥野と、守備から入るという狙いはあったと思われます。

事実、立ち上がりはしっかりとビルドアップしてくる浦和に対し、前から守備をはめ込んでチャンスをつくることに成功していました。

イメージとしては2トップのひとりが外のパスコースを切って、ボールの動く方向を限定。

逆サイドで高い位置を取るサイドバックは捨てることで、限定されたピッチの中では数的有利を作り出してはめ込んでしまおうという狙いに見えました。

浦和は平野選手が最終ラインに下がってボールを引き出すところに、ボランチのひとり、主に井手口も積極的にプレスをかけるなど、序盤は相手に自由なビルドアップをさせていなかったと思います。

画像2を拡大表示

ただ・・・

守備が前がかりになっていた分、高いDFラインの後方には広大なスペースがありました。

前半10分の失点は、ここにダイレクトで送り込まれ、あっさりとユンカーに抜け出されてしまい、決められてしまいました。

アシストした平野選手は

「正直、キャスパー(ユンカー)のことはまったく見えてなかったです。ただ、時間帯や、3人目の動き、横のSBからもらったところを縦パスでワンタッチのイメージはずっと持っていました。ワンツーの関係はある程度読まれますが、3人目の動きは守備からすると絶対についてこられないものですから。キャスパーはそこの嗅覚的なものがあって、英語でなんとか喋れますけど、そんなに密にコミュニケーションをかわすわけではなく、練習でうまくいったからやったわけでもなく、お互いの得意なイメージが重なっている感じでした。キャスパーに感謝です」

とのこと。

前から守備に来るガンバに対して、どこを狙うのか。

ビルドアップにこだわる浦和ですが、相手がそれを封じてきたときには、どうやって点を取るのかがはっきりと整理されていました。

一方でガンバは、昌子、三浦、ヨングォンが負傷でいない中、佐藤、菅沼というスピードに難のあるセンターバックのウイークポイントを、簡単に使われてしまいました。

しかし前半の残り時間は、ガンバペースで進んでいた、という見方もできたと思います。

少し浦和がテンポを落としてきたところで、前からの守備を継続しながら、ボールを奪えば宇佐美を起点としたカウンター、さらに小野瀬やウェリントンが中に入り込み、サイドバックも攻撃参加して厚みのある攻撃も何度か披露していました。

その中で、ウェリントンが浦和のDF酒井とやり合い続け、イライラを隠せなかったことは事実でした。激しく体をぶつけられ、それに対抗しようとボールを持ちすぎる悪癖が出始めていたこともあって、松波監督は前半40分ごろに右MFの小野瀬と、左MFウェリのポジションを入れ替えました。

襟にいはその理由をこう答えています。

「前回のリーグ戦でもウェリントン(シウバ)が、酒井(宏樹)選手とのマッチアップのところで、少し対応に苦しんでいたかなということを感じました。そして、左サイドでSBの黒川(圭介)がフリーで持って、ボールを運んでというところでは、ちょっと前に行く、背後へのランというのが少なかったので、その面では小野瀬のほうが少しランをできるし、(ウェリントン シウバもこちらの)右サイドでマッチアップしたときにクオリティーを出せれば、右サイドも活性化できるんじゃないかなということで、途中で替えました」

わかりますよ。

ただその直後の42分、ウェリントンが守備に戻り切れず、浦和の左サイドバックDF山中をフリーにすると、そこからFW江坂に正確なアーリークロス・・・

落としを関根に決められて、痛い2点目を奪われてしまいました。。。

まさに逆神采配。。。

後半はどこかのらりくらりとリスクを負わない浦和の前に、攻撃は仕掛けるものの、崩し切れず。

57分ごろには、ウェリ、宇佐美、と絡んで最後はパトが決定機を迎えましたが、結局は西川の好セーブに合い、ゴールは割れませんでした。

さらに気になったのが、終盤の覇気のなさ。

負けている状況で交代となった小野瀬が、ゆっくりと歩いてピッチを去るなど、とてもチームが逆転に向かおうという雰囲気ではありませんでした。。。

選手の覇気も、戦術も、個の能力も、そしてスタンドの空気間も・・・

すべてで浦和に差を見せつけられた敗北でした。

【採点&寸評】

【GK 1 東口 順昭】5・5

ライバル西川選手とのセーブ合戦を期待したのですが・・・

きょうは神ではなく、ただの人でした。

いや、悪いかったわけじゃないんですけどね

2失点に責任はありませんが、毎試合スーパーセーブを期待される神様は大変です(苦笑)

【DF 13 菅沼 駿哉】5・0

勇気をもってDFラインは高く保ったんですけどね・・・

ユンカーひとりに無効化され、カバーリングも間に合わず。

セットプレーから惜しいヘッドはありましたが、攻撃時ボールを持った時の何も起こらない感じはため息を誘いました。

【DF 16 佐藤 瑶大】4・5

開始10分で警戒していたユンカーにあっさりと裏を取られ、なにかが壊れる音がしました。。。

ボールを持ってもミスが多く、川崎戦の悲劇再びか・・・

と懸念しましたが、その後は何とか立ち直りました。

スピードがある相手への対応は、やはり大きな課題です。

【DF 17 奥野 耕平】5・0

81分アウト。

DF登録ですが、ボランチですね。

守備では積極的に前に出る井手口の後方を守る役目。

悪くはなかったのですが、ボールを持った際のパスミスが散見。

80分以上は追いかけいただけに、このミスは痛かったです。


【DF 24 黒川 圭介】6・0

68分アウト。

簡単にはパスを出してくれないウェリントンとの左サイドでも、積極的に攻撃参加。

前半に抜け出したチャンスでは、シュートという選択肢もある中で折り返しが合わず、ここは痛恨。

ただ相手のプレスを受けてもドリブルではがし、ボールを前進させる意欲もいいようには感じましたが。

さらに攻めたい後半途中に交代させられました。襟にいのお眼鏡にはかなわなかった様子。なんでやろ。


【DF 26 柳澤 亘】5・0

81分アウト。

目だって悪いわけではないのですが。。。

唯一、宇佐美サイドチェンジを受けて切り返し、左足で上げたクロスでミス。

そこまでの流れは良かったんですけどね。

同じく今夏に水戸からJ1に移籍した平野選手と比較すると、まだまだ存在感が足りません。。。


【MF 8 小野瀬 康介】4・0

68分アウト。

守備では献身的、攻撃でも相手の位置を見て中央、サイドと使い分け、何とかゴールに迫ろうとしていたことは認めます。

ただ・・・

左右を入れ替えられた瞬間に、自身が必死に抑えていた山中にウェリントンが決定的なクロスを入れられたことが許せなかったのでしょうか。

約25分を残して交代となった際に、まるでリードしている状況かのような態度でゆっくりとピッチを歩いて交代していた様子は許せません。

そういう細かいことが、ピッチの温度を下げたことは事実です。


【MF 15 井手口 陽介】6・0

後方は奥野に任せ、積極的に前に出る守備と、下げられてもその機動力で何とかカバーするという持ち味は見せてくれました。

後半に大量失点しなかったことは、彼の献身があったからだと思います。

ただ攻撃面でのクオリティーの低さは相変わらず。

【MF 28 ウェリントン シウバ】4・0

68分アウト。

判断が悪く、球離れが遅く、ボールを受けるのはすべて足元。

正直、酒井選手が最も得意とするタイプだったのではないでしょうか・・・

ネイマールと対戦していた酒井選手にとっては、カモがボールしょってやってきた状態。

もちろん、前線でパスを供給できないチームとしての課題も大きいのですが、自陣でいくらドリブルしても、相手にはちっとも怖くありません。

裏、走れよ!


【FW 18 パトリック】5・5

ポスト役としては、十分に機能しました。

決めて下さい。

それだけです。

【FW 39 宇佐美 貴史】5・5

ほとんどの攻撃は彼を経由しましたし、セットプレーやサイドチェンジからチャンスもつくりました。

ただ、後半はどこか早めに諦めたような冷めたプレーが・・・

ボールを取られないところは頼もしいのですが、個人でターンできないところは課題かと。

強引に前を向いて、試合の流れを変えるようなプレーも見たいのですが・・・

【途中出場】


【DF 4 藤春 廣輝】5・0

68分イン。

攻撃を活性化しようという意欲はみえましたが、一人で何かできるタイプではなく・・・


【MF 10 倉田 秋】5・0

68分イン。

負けている時間に投入されても、なにも変化を起こせない選手になってしまっていますねえ。。


【FW 32 チアゴ アウベス】4・5

68分イン。

おかえりなさい。

ただ何もできませんでした。

【DF 27 髙尾 瑠】―

81分イン。時間短く採点なし。

【MF 6 チュ セジョン】―

81分イン。時間短く採点なし。

【松波正信監督】4・0

前からの守備にかける、という積極策はわかりますが・・・

結果を見れば、無謀でした。

ユンカーと、CB陣の力の差を見誤りました。

後半も悪くない、という肌感覚の中で交代策を遅らせ、結果浦和の手のひらで踊らされていたような。

鳥栖戦ではまったカウンターを徹底させる、ということもできておらず、中途半端やなあと。

また6年連続の無冠が決まっても

「後半、何度かチャンスがあって、決め切れない中で残念な結果ですけども、内容的にはそこまで悲観するべきではないと思いますし、切り替えて次のリーグ戦に行きたいなと思います」

とどこかノー感じなコメントを出しちゃう当たりも、ガンバの監督にはふさわしいとは思えず。

まあ、いいっす。あと少しの付き合いですし。

残留さえさせてくれれば。

【あとがき】

2位と10位。

去年のガンバとレッズの成績です。

これが1年で、こんなに力の差がついちゃうんですね。

やはり監督って大事です。

ただレッズのサポーターさんは、パナスタを赤く染めるほど、この試合に全力を尽くしてくれたことは、まだライバルだと思ってもらえているようで、少しうれしさも・・・

この試合が終わっても、まだライバルだと思ってもらえたかは不安ですが。

来年以降も浦和とJ1で戦うためにも、さっさと残留を決めて、本格的に来季の人事に集中してほしいです。

噂に出ている片野坂さんの招へいは大賛成なのですが、今のメンバーで彼の臨むサッカーが実現できるのかは疑問でもありますし。

あと悲しいのは、無冠でも大して感情が動かない事実。

かつて、明神選手は「ガンバは最低でも毎年1つはタイトルを取らないといけないクラブ」と語っていましたが、そんな歴史は過去の栄光となってしまいました。

悲しいし、情けない。

そんな感情を、クラブに関わる人々が一人でも持ってくれていたらな、と願います。

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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