ＧＡＭＢＡＥＸＰＯは７番のＰＫが決勝点に
不安そうに見えました。
ＰＫを蹴る際の、宇佐美貴史の表情です。
６試合ぶりの先発、しかもポジションは最も慣れ親しんだ左サイド。
しかしベンチで過ごす間に、左ウイングでは食野、石毛、福田が結果を残してきました。
自分も結果を出せなければ、またベンチが定位置、いや、ベンチだって保証されていないかもしれない。。。
そんな不安があったのでは、と推察します。
その中で、悪くはないものの無得点で迎えたＰＫ。
しかもエースふたり（ジェバリ＆アラーノ）が取り合ったキッカーを、ポヤトスの鶴の一声で与えられました。
外せば指揮官、両エース、そして詰めかけたサポーターからの信頼は崩れ落ちます。
そんな重圧に、宇佐美は打ち勝ってくれました。
戦評
先発はマリノス戦から２人変更。
三浦が骨折したＣＢに前節右ＳＢ起用の福岡を戻し、右ＳＢには高尾を配置。
左ウイングには食野に代えて宇佐美。
宇佐美の左ウイングでの先発は今季初のはず。
開幕からインテリオールで起用してきましたが、山本、ダワンの２人が定着したことで、出番を失っていた背番号７のリサイクルを考えた末の結果でしょう。
一方で最下位に沈む智湘南は、前プレでガンバをはめる狙いがありました。
しかしポヤトスは、しっかりと対策をつくってきました。
宇佐美を中、湘南の右ＣＢ岡本、右ＷＧ畑の間あたりにポジションを取らせることで
どっちがみるんだ？？
という状況を作り出します。
そして畑が宇佐美に食いつけば、山本が左後方に落ちて、黒川は高い位置へ。
この動きで、前プレにいきたい小野瀨は
前行きたいけど、いくとこないやん・・・
となったはず。
そうして押し込む時間を長く作り、じわじわと湘南の足を削っていきます。
押し込む時間が長くなる想定をしていたからこその宇佐美先発起用だったのでは、と感じます。
左サイドを中心としたビルドアップでボールを前に進め、相手をゴール前に張り付かせる時間を増やしました。
そこからジェバリの動き出し、黒川のクロス、宇佐美のミドルという武器で、湘南のゴールに迫っていきました。
前半３７分の先制点は、うまくかわしたビルドアップから。
このシーンでは湘南が前にプレスをかけましたが、黒川の縦パスがややラッキーな点もあり中央スペースへ。
ここで山本、ジェバリ、アラーノが一気に前線のスペースに飛び出すと、山本がジェバリに丁寧なパスを送り、ジェバリはなんともっと丁寧にアラーノへ落とし。
このお膳立てを、アラーノがしっかりと決めて先制しました。
そして後半にも、前掛かりになった湘南に、どこにスペースがあるのかはアラーノはわかっていた様子。
中盤でのヨーイドンで抜け出すと、再び悠樹とジェバリが反応。
悠樹が裏へのランニングでボールを引き出し、ダイレクトでジェバリにつなごうとしたオシャレなパスがハンドを誘いました。
このＰＫを宇佐美が決めてくれました。
その後は試合をコントロールして、バランスをみながら進めましたが、後半ＡＴにセットプレーの流れから失点。
反省点は残りましたが、快勝といっていいような試合内容でした。
採点＆寸評
| ２０２３ J1リーグ第２４節 ホーム・湘南ベルマーレ戦（８月１９日） | |||||
| 名前 | 先発 | サブ | 採点 | 寸評 | |
| GK | 東口順昭 | 〇 | 6 | ノーミスの９０分間。密集の中から突然現れるシュートにも冷静に対応。ミドルへの安定感は抜群でした。 | |
| 石川慧 | △ | ||||
| 谷晃生 | |||||
| DF | 福岡将太 | 〇 | 6 | ジェバリやアラーノへの正確なロングパスで相手ＤＦラインを下げました。守備で何度か入れ替わったのは気になる… | |
| 半田陸 | |||||
| 藤春廣輝 | |||||
| 三浦弦太 | |||||
| 高尾瑠 | 〇 | 5.5 | 右サイドのブラジル人コンビとややずれは感じますが仕事は完遂。突如メンバー外の前節からメンタル面も整えました。 | ||
| 佐藤瑶大 | △ | ||||
| 権敬源 | 〇 | 5.5 | ファウルの多さとビルドアップで遠くを見られない当たりが気になりました。コンディションは改善気味でしょうか。 | ||
| 黒川圭介 | 〇 | 6.5 | 中に寄る宇佐美の分もサイドの上下動を増やして貢献。抜け出した１対１はファウルくさかったですが、抜群のプレーでした。 | ||
| 柳沢亘 | |||||
| 江川湧清 | |||||
| 中野伸哉 | |||||
| 倉田秋 | |||||
| 福田湧矢 | △ | ||||
| ネタ・ラヴィ | 〇 | 6.5 | 中盤の広いスペースを一人でうまく埋め続けました。日本の夏への対応も進んでいるのか。嫌な噂も杞憂に終わりそうです。 | ||
| 塚元大 | |||||
| ダワン | 〇 | 6 | この日は脇役に徹しましたが、主役も脇役もどちらもこなせるのが魅力的。まるでガンバの樹木希林。 | ||
| 杉山直宏 | |||||
| 山本悠樹 | 〇 | 7 | もはや別次元に片足をかけたでしょうか。ネタの影響でターン成長と思えば、アラーノからスペースを付く動きも盗みつつあり。 | ||
| 中村仁郎 | |||||
| アラーノ | 〇 | 7 | スペースを見つけるランニング、そこに出すパスも他の選手よりすべてわずかに速い印象。アラーノにゴールは鬼に金棒。 | ||
| 石毛秀樹 | △ | ||||
| FW | 宇佐美貴史 | 〇 | 6 | 中で受けて右足を振るシーンに、やはり宇佐美貴史はこれだなと。監督、チームメートに気を使われまくりのＰＫでなんとか及第点に。 | |
| 食野亮太郎 | △ | ― | 時間短く採点なし | ||
| 鈴木武蔵 | |||||
| ジェバリ | 〇 | 6 | 先制アシストはエゴを消した最高のプレー。その後はゴールへのエゴが強すぎましたが、ＦＷはこのぐらいでいいでしょう。 | ||
| 山見大登 | |||||
| 唐山翔自 | △ | ||||
| 監督 | ダニ・ポヤトス | 6.5 | 対湘南の準備がはまり、ボールを支配して勝利に。宇佐美の起用もある程度当たりましたが、交代はまだうまくいきまへんな… | ||
あとがき
ポヤトス、宇佐美に何か感じているんやろうな
と思った方も多いかと思います。僕もそのひとり。
もちろんガンバサポにとって、宇佐美は特別な選手。
しかし最近のパフォーマンスをみている中では、苦しい状況に陥っていたことは間違いありません。
その宇佐美を切り捨てるのではなく、うまく生かしてＰＫの権利まで与える過保護ぶり。
それは、このチームで宇佐美が生き生きとプレーすることは、結果以上の意味があるということを肌で感じているのでしょう。
このゴールをきっかけに、再び宇佐美が戦力として機能するようになれば、左ウイングのレギュラー争いもさらに活性化され、交代カードの充実にも繋がります。
夏に攻撃的なカードの補強（唐山の復帰はありましたが）は行わなかったガンバにとって、宇佐美の能力を引き出す、というアイデアが成功すれば・・・
まだまだ上を目指せると感じた湘南戦。
そして宇佐美が決めた際の食野や福田らの喜びようをみていると、ああ、宇佐美貴史はチームでも愛されているんだな、と感じた一幕でもありました。
リーグ戦はともかく、ルヴァンカップのタイトルは狙えるかもしれない、と感じ始めていることを正直に告白し、締めたいと思います！！
きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました！！
バックナンバーＴ、白と黒のカラーで定番、ワイドシルエットともに８００円オフのセール中なので、ぜひのぞいてみて下さい！！
https://market.orilab.jp/user/62c91c3c56c70
ブログ上のＧＯＯＤＳからもチェックできます！！
コメント