【開幕直前コラム】拝啓ダニエル・ポヤトス監督様。新たな道をゆくガンバ大阪を見守ってください。

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なぜこんな時期にポヤトスなのか

皆様、開幕直前に「何を今更・・・」というようなタイトルをクリックしていただき、ありがとうございます。

ここでは、ウィッシング監督とともに新シーズンへと向かうガンバ大阪から少し離れ、ポヤトス監督とともに歩んだ過去3年間を振り返り、彼が何を残してくれたのかを検証したいなと。

ガンバ大阪の歴史の中で、3シーズンをフルで率いた監督は、西野朗、長谷川健太、そしてポヤトス(宮本恒靖は18~21年の足かけ4シーズンも、フルは2年間)の3人のみです。

もちろん、無冠に終わったポヤトスが残したものは、前2人には及ばないのかもしれません。

しかし、僕にとってはガンバのサッカーを楽しむ感覚を思い出した3年間でした。

かつてどん底だったポヤトス前

ポヤトス就任前のガンバは、宮本体制後に松波、片野坂、松田とシーズン途中の監督交代を繰り返しながら、何とか残留を果たす、といった時期でした。特に2022年、最終節の鹿島戦で残留を果たしたシーズンは、本当に心を削られていました。選手たちのがんばりは、ただただ体を張る、戦うという一面に向けられ、命を燃やしながら戦う姿は、見ていてつらくもありました。

そこにJ2徳島を率いてきたスペイン出身のポヤトス氏を招聘し、もう一度、攻撃的なチームを作り上げよう、という方針に。開幕戦のメンバーを見たときは、ワクワクしました。宇佐美と山本がインテリオールに並び、ゲームを自分たちでコントロールするのだ、という意思に、心は躍りました。

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しかし、ここでの誤算は、その宇佐美がインテリオールにフィットしなかったことでした。ボールを持った際、もっと言えば相手を正面に置いた際の彼の技術は、Jリーグ、いや日本屈指だと誰もがわかっていました。ただ、ピッチを広く見渡す、スペインサッカーに求められるスペースがどこに出来て、どのためには自分がどう動くべきなのか、というプレーは、得意分野ではなかったなと。負傷の期間も経て、シーズン中盤以降はウイングやトップへ。ポヤトス監督のもくろみは、ここでもろくも崩れ去りました。

その後もポヤトス監督は、チームとしての狙いは見えるものの、交代策の稚拙さなどが目立ち低迷。何とか16位で残留は果たしましたが、終盤には7連敗と問題ばかり。

以下は2023年の基本布陣。偽センターFWなどでも起用された宇佐美の居場所を最後まで見つけらず、またまた残留争いのシーズンでした。

躍進の2024年

しかし2024年は、最終的にリーグ戦4位、天皇杯準優勝。

大阪ダービーに久しぶりに勝利するなど、明るい話題も多かったかと思います。

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ただ、サッカーのスタイルとしては、山本悠樹が川崎に移籍して中盤のコントロール役を失い、ポヤトス監督が自分のサッカーを諦めた、かに見えた年でした。ラインを下げる試合も多く、名古屋からやってきたDFリーダー・中谷進之介の能力を生かして守備の強みを出し、自信をつけていったシーズンでした。終盤には少しずつ、23年で覚えたチーム全体でボールを前に運ぶスタイルも思い出しながら、天皇杯では決勝へ。ただ、神戸の縦ポンサッカーに敗れ去り、悔しい思いをした1年となりました。

基本布陣を見てみると、この年に加入したウェルトンや山下が存在感を放ち、宇佐美はやはりカウンターサッカーで生きる、という1年だったのかなと。

集大成の25年は実らず

そして2025年。

前年に覚醒しつつあった坂本や、ダワンの移籍は、確かに痛かったのは事実。さらに山田康太も考えられない案件で移籍と、トップ下、中盤の主力を抜かれたことは痛恨でした。

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それでも満田誠や、安部柊斗の加入、さらに美籐倫の成長などもあり、残留争いに深く沈むことはなし。1、2年目のスタイルをミックスし、基本的にはボールを握る意思を示しつつ、相手との力関係によっては守備の割合

相手チームからも「ガンバのスタイルって、基本的にはボールを持ってくるよね」というイメージが、他チームからもできあがりつつある年でした。

結果的には9位。順位を見れば、J1は16位→4位→9位で、カップ戦のタイトルもなし。

契約満了により、ポヤトス監督のガンバでの挑戦は終わりました。

なぜガンバはスペイン路線からドイツ路線に舵を切ったか

ポヤトス監督が残した結果は、当然、監督交代を決断されても不思議はないものでした。

それに加え、今年8月からのシーズン移行が、Jリーグのサッカーを変える、という予想があったことも影響していたかと。

これまでの冬から秋にかけて戦ったシーズンでは、暑くなってくる6月ごろからコンディションが落ち続け、各チームとも強度が落ちていきました。

しかし新シーズンは、シーズン序盤の体力があるうちに暑い時期を乗り越え、冬にかけてコンディションが上がっていく、という状況が予想されています。

そうなればリーグ全体の強度が上がるため、現在も強まってきたJリーグの強度重視傾向は、さらに強まると予想されています。

だからこそ、ガンバが強度を前面に出すドイツ路線に舵を切ったことは、至極全う、とも言えます。

ただ僕はポヤトスが好きだった

ここからは、個人的な感情を書かせてもらいます。

僕はポヤトス監督が好きでした。

タッチライン脇で見せる、得点に子供のように喜び、失点をこの世の終わりかのように悲しむ姿が。

監督インタビューで見せる、柔和で、相手チームへの深いリスペクト、そして自チームの選手たちを決しておとしめない言葉からにじむ人間性が。負けた試合で発する、「まずこの敗戦の責任は私にあります」という言葉も、口だけではなく本心から言っているんじゃないかな、と思っていました。それは3年間見続けた、彼の言動や立ち居振る舞いから感じたものでした。

そして、決して自分の戦術、スペイン流を押しつけるだけではなく、チーム状況に合わせて調整し、スタイル重視で残留争い→守備偏重で上位進出→両方をミックスして勝てるチームに、というアイデアにも、今思えば共感していました。もちろん、1試合1試合を切り取れば、不満もありました。もっと若手を使ってくれよ、と思ったこともありますし、宇佐美を魔改造してくれよ・・・と思ったこともありましたが。

ポヤトス監督との別れはつらく、深い虚無感に襲われました。

でも彼が残してくれたものは、確かにありました。

人生とはその時勢に合わせてベストをつくし、それでも周囲へのリスペクトを忘れなければ、人の心は離れないんだ、というマインドは、今後のチームも継承していってほしい、と感じます。

Muchas gracias.(本当にありがとう)

彼の今後のサッカー人生が、明るく照らされることを願います。

みなさま、開幕目前にこんな駄文におつきあいいただき、ありがとうございました。

今シーズン、そしてこれからもともにガンバ大阪を楽しんでいきましょう。

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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