前書き 2022年6月29日 J1第15節 ガンバ大阪2-0サンフレッチェ広島@パナスタ
僕の知らないチームが、そこにいました。
札幌戦後には「このチームが上手いとかいうの、もうやめる!!」
とか、泣き言を言っていた僕ですが、まさか3日後にそのチームのサッカーに引き込まれるとは・・・
何が起こっていたのか、ピッチの中を分析してみます。
先発布陣
布陣は基本布陣は3-6-1(3-4-3?)に変更し、広島とマッチアップさせてきました。
運動量をベースに、各マッチアップで上回ってくる広島を相手に、先発6人を入れ替えてミラーゲームに。
立ち上がりは案の定広島ペースとなり、大丈夫なのかよ・・・と思いきや。
攻守で試みた広島対策
守備では上のように完全にマッチアップする形で、各々が対面の選手に対応。
中でも3バックの中央を務めた三浦は、常にだれもカバーがいない状況でJサントスとの1対1を制し、チームを最後尾から締めました。
さらに広島の右の翼・藤井を、黒川が1対1でシャットアウト。
関大出身の黒川、立命大出身の藤井ですので、大学時代にも対戦経験があるのでは、と思っていましたが、うまくスピードを消しつつ、デュエルの部分で上回りました。
そして攻撃はボールを奪えば、一気に裏を狙う山見、坂本を生かしてできるだけ縦に速く、というイメージを徹底。
少しずつ、広島の最終ラインにプレッシャーをかけていきました。
アンカー・ダワン&おしゃべりDFのビルドアップ
試合が落ち着いてくると、攻撃の狙いが見え始めました。
ダワンがアンカーに落ち、斉藤と石毛がインサイドハーフを形成。さらに山見と坂本の2トップで3バックをピン止めし、ダワンがフリーでボールを受けられるようにチームとしてズレを生み出しました。
そのダワンに右CBの福岡が、満田のプレスを受けながらもタイミングよくパスを配球。
ダワンにボールが入ると、広島はボランチの一方がプレスに行くことになり、インサイドハーフがフリーに。
ここで右サイドでは斉藤&小野瀬、左サイドでは石毛&黒川でサイド攻撃を展開し始めました。
すると前半30分。
小野瀬からの縦パスを受けた坂本が、うまくタメを作って右サイドに開いた斉藤へ。フリーでクロスを上げると、相手GKがはじいたところを拾った黒川が、藤井とのデュエルを制してシュート。見事ネットに突き刺します。
さらに同36分。
自陣から左サイドを石毛とのコンビで突破した黒川からカウンターを発動。
黒川は十分に運んでから山見へ。
エースの風格漂い始めた山見は、十分に敵を引き付けて左サイドを駆け抜けてきた斉藤へラストパスを送りました。
ダイレクトで放ったシュートはポストに嫌われましたが、こぼれ球を拾った小野瀬が再びエリア内でドリブル。
フェイントを織り交ぜ、守備陣を混乱に陥れると、ゴール前の混戦から石毛が放ったシュートのこぼれ球が坂本へ。
大黒様譲りの素早いターンで前を向くと、GKの位置を冷静に見てプロ初ゴールをねじ込みました。
リード後の試合運びも盤石
2点リードを奪うと、ガンバは今季ここまで見せたことがなかった試合運びのうまさをみせました。
早く追いつきたい広島のプレスを、GK東口もうまく使いながら回避。
ここでも福岡の急がず、できるだけフリーの場所にボールを流していく運びは秀逸でした。
後半、相手が2トップに変更してダワンへのコースを切ろうとしてきましたが、そうなると斉藤が落ちてダブルボランチに。
今度は斉藤がプレスの出口となり、簡単にはボールを失いませんでした。
それでも終盤は広島に押し込まれる時間も増えましたが、相手が負傷者が出たこともあり、時にカウンターで広島ゴールに迫りながら、危なげなく勝ち切りました。
カタノサッカー・ガンバ版のプロトタイプに
立ち位置で相手を困らせ、CBの持ち上がりで相手守備を混乱に陥れる。
これはまさに大分時代、片野坂監督が展開していたサッカーでした。
広島相手には見事この戦略がはまり、今季最も手応えのある勝利、と言ってもいいのでは。
しかし、一回うまくいっただけでは、まだまだ。
マンツーマンの守備は、三浦をはじめ守備のタレントもそろうチームでしかなし得ない戦術ともいえます。
次の浦和戦でどんな戦いを見せるか。
いきなり現れた広瀬すずが、大人の色香を身に着けていくことができるのか。
鈴木武蔵の獲得も発表され、いきなり明るい話題が続きましたが、まだ1敗すればすぐに降格圏の可能性もあるヒリヒリしたリーグ戦を楽しみましょう!!
きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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