2022年4月29日 FC東京2-0ガンバ大阪@国立
人の悪いところを探すより、いいところを見つけてあげなさい
親の教えと投資信託は、20年後にありがたいと感じるものやと言っていたのは誰でしたか。
3試合連続ノーゴールと、昨季の香りも漂ってきたFC東京戦でしたが、そんな思いで前向きな戦術分析をスタートさせたいと思います。
ただ
世の中は刻一刻と変化するもの、その都度対応しなさい!
という教えも心に残っているもので・・・
最後には違う結末となっていたらごめんなさい。
変わろう、という意志が見えた先発布陣
雨の国立。ピッチは水はけが素晴らしく、ボールが走る“サッカー日和”でした。
現地観戦の方はご苦労されたと思いますが・・・
東京の4-3-3に対し、ガンバは4-4-2。
FWにはレアンドロペレイラが6試合ぶりに先発。
2トップで結果を出せなかった山見を左サイドハーフに、18歳FW坂本を先発起用、というメンバーでした。
ギョングォンは連戦につきお休みかな?
まあそれでも昌子&三浦で組めるんだから、文句を言うのは贅沢病ですが。
左サイドバックは、藤春が今季初先発しました。
パトではなくペレイラの先発起用を見ても、片野坂監督は勝てない中で、ロングボール依存の傾向にあったチーム状況に危機感を持っていたのでは、と推察しました。
初めて現れた“走るLペレイラ”
FC東京は、昨年までの健太サッカーのイメージから、やはりアルベル監督のエッセンスがにじんでいましたね。
ガンバの2トップに対し、東京はアンカーの青木が最終ラインに落ちて3枚に。
この3枚で、2トップのプレスをいなそうとしました。
ガンバも小野瀬や山見が、機を見てサイドバックを切りながら、一気にセンターバックまでプレッシング。
GKへのバックパスを誘い、ここにLペレイラが猛然とプレスをかけて、ロングボールを蹴らせて回収、というパターンは見えました。
ガンバサポの間では、走らない男で名をはせたペレイラですが、この試合でがんばらなければどうなるのか、と言う意味は理解していた模様。
ただ東京は、大外に張った両サイドFWのアダイウトン、永井と、内側のポジションを有効利用する両サイドバックの小川、長友のポジショニングでサイドに起点をつくりながら、運動量豊富な松木、安部が絡んでボールを前進させる、というトライを続けてきました。
ダワンは驚異的なボール回収力で、相手の狙いを封じ続けましたが、この日は斉藤が、東京のニュースター松木とのマッチアップで後手を踏んだ印象もあり、特に前半は相手の時間が長くなった印象。
その中で与えたセットプレーから、アダイウトンに先制点を奪われました。
これはトレヴィザンに頭で合わされた際に、ダワン以外の選手は足が止まってしまいました。
アンカー脇のスペースを狙う、その意図は見えたが・・・
ビルドアップでは、この日は可変システムではなく最終ライン付近に4枚を置き、東京の3トップでのプレスをいなしにかかりました。
相手の両サイドFWは、サイドバックのコースを切ってプレスに来るため、CBがボールを持った際の目線は中に。
斉藤、ダワンがフリーならいいのですが、ここに松木、安部が積極的にプレスをかけてきました。
ガンバとしては、マークをされていても一度中に当て、そこからSBにボールを逃がして前進したい、という狙いがあったのでは、と思います。
また松木、安部が出てくることで、アンカー青木の両脇にはスペースが。
ここを坂本や山見、時にはペレイラも下がってくることで使いたい、という意図は感じました。
ただ相手のプレッシャーが厳しい前半は、なかなかボールを前に運べず。
またうまく左SBまで流しても、藤春のトラップが前ではなく後ろに下がることで、相手のファーストラインを突破できない、というシーンも見受けられました。
中村仁郎が見せた可能性と、“堂安問題”というジレンマ
後半に入ると、頭から投入されたMF中村仁郎が、うまくアンカー脇のスペースでうまくボールを引き出すことが増えました。
何より頼もしかったのは、ぴたりと止まるトラップ。
これ、宇佐美や倉田もそうなんですが、少々雑なボールでも高い確率で収めてくれますよね。
これはガンバユース育ちの特徴なのかな。
坂本は、まだ少し粗さがありますけど。
しかし攻撃の形が増え、同点ゴールへの機運も高まってきた後半27分。
ビルドアップ中に斉藤のトラップが乱れ、そこをディエゴにかっさらわれると、レアンドロの超絶ドリブル突破からのカウンターを受け、痛恨の2失点目を喫しました。
終盤はパトリックの力技も織り交ぜながらゴールに迫りましたが、最後までネットを揺らすことはできずに終わりました。
中村仁郎に、攻撃の全権を託せるか
後半に仁郎がみせたプレーは、今季のガンバに不足していたファンタジー要素がたくさん詰まりまくっていました。
ボールを受ければ、目の前の相手を外す。
こっちにいくかな、と思えば、その逆を行く。
相手の強度が落ち始める後半なら、ある程度持ち味を出せる、という目途はついたかな、と思います。
ただ、これを先発起用された中で、前半からどれだけ発揮できるかが次の課題。
ただ、ここで浮上するのが“堂安問題”。
堂安律、中村敬斗、食野亮太郎の3人は、ガンバ大阪で攻撃の鍵を握る選手へと成長し始めた、と思った時期には、海外へとはばたいていってしまいました。
結果、彼らを育てるために使った時間はチームには還元されず、むしろ攻撃の中心を失ったチームは、さらに難しい状況へと陥ったと言えます。
中村仁郎は、誰がどう見てもセンスの塊。
それがJ1で戦えるフィジカルを身に着ければ、次は海外へステップアップ、ということは当然なのですが、それじゃあチームが強くなるはずもなく。
以前からアヤックスが注目するなど海外移籍のうわさがあり、さらにオランダにある会社のエージェントも付けたという仁郎。
どうせ海外移籍しちゃうんだから、使わなくていいやん、とはならないですが、堂安を発端にこう何度も同じことが起こっていることを考えると、無視もできない問題です。
まあ活躍前の若手の海外移籍を心配するような皮算用より、残留プレーオフの16位まで勝ち点差1になったことを心配するべきなのですが・・・
ああ、明るい記事を書くはずが、何とも暗いお話になってしまいました。
ホーム札幌戦では、未来を照らす勝利を見せてほしい。てか勝たなきゃヤバイ。
例年通り、残留争いからはそう簡単に逃げることはできないんですね。。。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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