前書き 20日間の中断期間を経て
Def Tech、意外とええがな。
そんな思いでどこかふわっとしちゃいそうな試合内容を、もう一度再検証してみました。
中断を経て、明らかに変わったのは、守備の矢印が強く前に向いたことでした。
まず、いけるならハイプレス。
それに後ろもついていく。
この共通認識は、チームが明らかに変化した点でした。
先発布陣と守備の仕方
ヒガシと高尾が先発に戻り、4-2-3-1に。守備時は石毛が前に出た4-4-2でした。
立ち上がりははっきりとしたハイプレスで、前から思い切ってはめにいきました。
その結果、前半7分に先制ゴール。
相手ゴールキックから下がらず、きっちりと前から強くプレスに行ったことで、パスミスを誘い。
パトリックが拾ったボールを、すぐダワンにつないで先制。
そのあともパト、石毛が積極的に相手CBへとプレスをかけ、それに連動して序盤は何度かいいボール奪取も生まれました。
ハイプレスの鍵はセンターバック??
前半何度か見られたのが、下のような形。
ガンバの前線から中盤が、思い切って相手の4-4に合わせて、はっきりとはめる形を取ります。
ここでマリノスはトップ下の西村が、中盤まで下がってボールを呼び込みます。
ここに、この日は三浦やディエゴが、思い切ってDFラインを崩してアタックにいきました。
もしここで収められれば、後ろはセンターバックがひとり。
カウンターのリスクは大きくなりますが、勇気をもって潰しにかかり、何度か奪いきる形も、入れ替わられてカウンターを受ける形もありました。
しかし課題も山積・・・
いい形で先制し、その後も山見や小野瀬のサイド突破からチャンスをつかみ、前半15分には小野瀬のクロスからパトリックのヘッド、と決定機もつくりました。
一方でマリノスも、時間が経つにつれうまくガンバのプレスを外し、スムーズにボールを前進させるように。
ガンバはハイプレスに行けないとなれば、コンパクトなブロックで何とか網に引っかけていたのですが、奪った後のパス精度が低く、押し込まれる時間が長くなっていきました。
気になったのは、前半終了間際にはハイプレスの先導役となっていた石毛が、すでにグロッキー状態だったこと。
2トップ気味とはいえ、パトリックはそこまで広範囲にプレスにいけるわけではないので、スイッチ役は多くの時間で石毛が担当。
ハーフタイムを経た後半の立ち上がりも、気概は見せてくれましたが、逆に攻撃のチャンスでボールタッチが乱れるなど、疲弊が見て取れました。
後半失点の原因は??
後半11分には、同点ゴールを許します。
攻守の切り替えで上回られ、水沼のクロスからエウベルがシュート。
一度は東口が好セーブ。
しかしセカンドボールを渡辺に拾われ、最後は西村に押し込まれました。
ここでの課題は、セカンドボールでの反応で奥野が渡辺より先に反応されたこと。
前半から豊富な運動量で攻守に関わっていた奥野ですが、ここぞの場面で相手に上回られてしまいました。
直後の2失点目は、藤春とディエゴの間を抜け出した水沼を捕まえきれず。
ディエゴはFWの動きに引っ張られていただけに、藤春が絞るべきだったのか、と感じさせられた失点でした。
片野坂監督の覚悟
リードを奪われた後、片野坂監督は石毛に代えて倉田を投入。
前からの守備を継続しようとした意志は見えましたが、疲労も蓄積してきた中で、マリノスに時間とスペースを与えて、試合をコントロールされてしまいました。
交代で入ったウェリントンやペレイラも、流れを変える働きができず。
終わってみれば力負け。そんな印象が残る試合でした。
それでも片野坂監督は、試合後こんなコメントを残しています。
「守備に関しては、やはり敵陣で奪うようにすることがすごく大事だと思いますし、いまわれわれがチャレンジしているところだと思います。そこは選手もやっぱり前から奪いにいきたいという思いの中で、共通していたのでそこをトライするようにしました。ただ、本当に前から行くということで、やっぱりリスクはあると思いますけど、そのリスクも十分に分かった中でトライしています」
ガンバは宮本監督時代にも、ハイプレスを基本戦術として取り入れようと試みてきました。
それでもチーム全体の運動力不足が大きな原因となり、いつの間にかブロックを敷いて守る守備がベースとなっていきました。
その課題に、片野坂監督は真っ向から取り組むのでしょうか。
ここから酷暑の夏が訪れるこの時期に、それは無謀な挑戦ではないのか、という不安もあります。
ただ、走れる選手が少ないから、夏は暑いから、と言い訳ばかりを並べても、何も変わりません。
地に足付け 頭雲抜け 進む前に前に前に
そこまでお前は弱くないから
Believe my way, my way, my way
そんなMy Wayの歌詞が刺さります。
まだこの挑戦の結果は見えませんが、今は不安ですけど信じて見守りたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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