【コラム】片野坂監督の“My Way”はハイプレスなのか 進む前に前に前に 2022・6・18 ガンバ大阪ー横浜マリノス@パナスタ

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前書き 20日間の中断期間を経て

Def Tech、意外とええがな。

そんな思いでどこかふわっとしちゃいそうな試合内容を、もう一度再検証してみました。

中断を経て、明らかに変わったのは、守備の矢印が強く前に向いたことでした。

まず、いけるならハイプレス

それに後ろもついていく。

この共通認識は、チームが明らかに変化した点でした。

先発布陣と守備の仕方

ヒガシと高尾が先発に戻り、4-2-3-1に。守備時は石毛が前に出た4-4-2でした。

立ち上がりははっきりとしたハイプレスで、前から思い切ってはめにいきました。

その結果、前半7分に先制ゴール。

相手ゴールキックから下がらず、きっちりと前から強くプレスに行ったことで、パスミスを誘い。

パトリックが拾ったボールを、すぐダワンにつないで先制。

そのあともパト、石毛が積極的に相手CBへとプレスをかけ、それに連動して序盤は何度かいいボール奪取も生まれました。

ハイプレスの鍵はセンターバック??

前半何度か見られたのが、下のような形。

ガンバの前線から中盤が、思い切って相手の4-4に合わせて、はっきりとはめる形を取ります。

ここでマリノスはトップ下の西村が、中盤まで下がってボールを呼び込みます。

ここに、この日は三浦やディエゴが、思い切ってDFラインを崩してアタックにいきました。

もしここで収められれば、後ろはセンターバックがひとり。

カウンターのリスクは大きくなりますが、勇気をもって潰しにかかり、何度か奪いきる形も、入れ替わられてカウンターを受ける形もありました。

しかし課題も山積・・・

いい形で先制し、その後も山見や小野瀬のサイド突破からチャンスをつかみ、前半15分には小野瀬のクロスからパトリックのヘッド、と決定機もつくりました。

一方でマリノスも、時間が経つにつれうまくガンバのプレスを外し、スムーズにボールを前進させるように。

ガンバはハイプレスに行けないとなれば、コンパクトなブロックで何とか網に引っかけていたのですが、奪った後のパス精度が低く、押し込まれる時間が長くなっていきました。

気になったのは、前半終了間際にはハイプレスの先導役となっていた石毛が、すでにグロッキー状態だったこと。

2トップ気味とはいえ、パトリックはそこまで広範囲にプレスにいけるわけではないので、スイッチ役は多くの時間で石毛が担当。

ハーフタイムを経た後半の立ち上がりも、気概は見せてくれましたが、逆に攻撃のチャンスでボールタッチが乱れるなど、疲弊が見て取れました。

後半失点の原因は??

後半11分には、同点ゴールを許します。

攻守の切り替えで上回られ、水沼のクロスからエウベルがシュート。

一度は東口が好セーブ。

しかしセカンドボールを渡辺に拾われ、最後は西村に押し込まれました。

ここでの課題は、セカンドボールでの反応で奥野が渡辺より先に反応されたこと。

前半から豊富な運動量で攻守に関わっていた奥野ですが、ここぞの場面で相手に上回られてしまいました。

直後の2失点目は、藤春とディエゴの間を抜け出した水沼を捕まえきれず。

ディエゴはFWの動きに引っ張られていただけに、藤春が絞るべきだったのか、と感じさせられた失点でした。

片野坂監督の覚悟

リードを奪われた後、片野坂監督は石毛に代えて倉田を投入。

前からの守備を継続しようとした意志は見えましたが、疲労も蓄積してきた中で、マリノスに時間とスペースを与えて、試合をコントロールされてしまいました。

交代で入ったウェリントンやペレイラも、流れを変える働きができず。

終わってみれば力負け。そんな印象が残る試合でした。

それでも片野坂監督は、試合後こんなコメントを残しています。

「守備に関しては、やはり敵陣で奪うようにすることがすごく大事だと思いますし、いまわれわれがチャレンジしているところだと思います。そこは選手もやっぱり前から奪いにいきたいという思いの中で、共通していたのでそこをトライするようにしました。ただ、本当に前から行くということで、やっぱりリスクはあると思いますけど、そのリスクも十分に分かった中でトライしています」

ガンバは宮本監督時代にも、ハイプレスを基本戦術として取り入れようと試みてきました。

それでもチーム全体の運動力不足が大きな原因となり、いつの間にかブロックを敷いて守る守備がベースとなっていきました。

その課題に、片野坂監督は真っ向から取り組むのでしょうか。

ここから酷暑の夏が訪れるこの時期に、それは無謀な挑戦ではないのか、という不安もあります。

ただ、走れる選手が少ないから、夏は暑いから、と言い訳ばかりを並べても、何も変わりません。

地に足付け 頭雲抜け 進む前に前に前に

そこまでお前は弱くないから

Believe my way, my way, my way

そんなMy Wayの歌詞が刺さります。

まだこの挑戦の結果は見えませんが、今は不安ですけど信じて見守りたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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