両監督の思惑が透けて見える前半
ガンバ大阪・片野坂監督「大分はおれが作ったGKからビルドアップしてくるチームだ!うちはハイプレスで行くぞ!!」
大分・下平監督「向こうはハイプレスで来るぞ。序盤はシンプルに裏。そこから逆にハイプレスでビビらせてやれ!!」
コメントはともに妄想ですが・・・こんな感じだったのかな。
相手の思惑に、見事にはまった前半でした。
ハイプレスは1日にしてならず。
秘技“パトポン”で勝ち切った試合でしたが、反省点は山積みでした。
先発布陣
スタート布陣はウェリントンと倉田を2トップ気味に並べた4-4-2でした。
この選択は、GKプラス3バックでビルドアップをしてくる大分に対し、2トップの走力を生かして制限をかけようとしたものと思われます。
まあ、こんなイメージですよね。
しかしながら、後ろでリスクを負わずに、スタートはシンプルに前へとボールを蹴ってきた大分に、簡単に先制点を差し上げてしまいました。
前半14分、センターバックの佐藤の裏に流されたロングボール。
佐藤は楽勝で先に追いつきながら、大分FW宇津元のチャージによろめいて奪われ、慌てて取り返そうとしてPK献上。
もうこれは、戦術どうこうではありません。個人の失態。
この先制点で勢いに乗った大分は、より前からのプレスを強めて、ガンバに襲い掛かります。
斉藤、セジョンの両ボランチは、相手の両ボランチ、弓場と保田にきっちりとマークされる中で、後方からのボールの逃がし場所が両サイドしかない状況に。
ここで片野坂監督は倉田を中盤に下げ、山見と頂点、ウェリントンを左に配置。
この時点で、試合当初もくろんでいたハイプレスの狙いなど、もろくも崩れ去ってしまいました。
なぜウェリントン、セジョンは活きないのか
その後、ガンバは左のウェリントンと中心に攻撃を試みます。
ハイプレスがかからなければ、5バック気味に構えてくる大分に対し、大外でウェリントンがボールを受ける回数が増加。
しかし…
基本ウイングバック(後追いの場合もあり)と3バックの左が、構えているところに、ドリブルで突っ込んでいっても簡単には抜けません。
中盤に下がった倉田が内側のレーンを走って何とかサポートしようと試みますが、ふたりのタイミングが全然合っておらず。
福岡のサポートも後ろにしかない中で、ウェリントンのドリブルは不発に。
個人的には円内にある3(大分)対2(ガンバ)を、なんとか3対3にできれば、ウェリントンのドリブルも効いてくるんじゃないか、とは思っていましたが・・・
またボランチに入ったセジョンも、まったく良さを発揮できず。
ボールが落ち着かないのが要因のひとつではありますが、攻守の切り替えが目まぐるしく変わる今のサッカーでは、いつもワンテンポ遅く見える彼をどう生かすべきなのか、答えは見つかりません。
逆転までの流れはよかったものの・・・
後半はパトをセンターFWに、倉田をトップ下に置く4-2-3-1に変更。
すると後半4分、中盤の競り合いでパトが勝利し、こぼれたボールを倉田が左へ素早くサイドチェンジ。
山見がDFひとりをかわし、GKも鮮やかなループでかわす同点ゴールが生まれました。
これは前からプレスに来ていた大分の勢いを削ぐ、素晴らしい得点。
倉田の好判断と、山見の個人技がうまくかみ合いました。
後半14分には倉田、セジョンを下げて、南野、奥野を投入。
相手の勢いが落ちてきた中で押し込み、同21分には福岡の右足クロスに、パトリックが無慈悲な高さを見せて逆転。
その後は体力が落ちていく中でも、果敢に前がかりとなる大分の隙をついて、何度かカウンターで決定機を演出していきました。
カウンターに抜け出した仁郎がGKをかわしかけたところで、南野がかっさらってシュートを外しちゃった場面や、パトのオフサイドなどもありましたが、最後は抜け出したパトが自ら倒されたPKを決め、3-1の勝利と相成りました。
方向性はまだ定まらず…
結果、この試合で何か新しい発見やチームの方向性が見えたかと言うと・・・
厳しいですよね。。。
山見の覚醒や、倉田、福岡の復調はプラス要素ですが、チームとしては狙いのハイプレスが発動できず、後半の攻撃も主にパトリックへのロングボールが起点。
これがJ1上位を相手に通用しないことは、前半戦で思い知らされています。
苦しい時のパト頼みは、非常に有効な手ですが。
パトリックをスーパーサブとしておけるように、何とかハイプレスに適した運動量のあるストライカーを補強しなければ。
勝ったのに、そんなことを痛感させられてしまいました。
頼む!!武蔵来てくれ!!!
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