【忖度なき採点&寸評】2023年、大阪ダービー開宴。追い詰められ、たどり着いた2-3-5布陣は未来への道か。3・26ルヴァン杯1次L・セレッソ大阪戦

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前書き

やる前は、言い訳ばっかり探していました。

宇佐美もジェバリも、ネタも、半田も谷も、ディエゴも、理仁もいない大阪ダービーでした。(セレッソはU22の西尾のみ不在)

ホームでは5連敗中。

まだリーグでも未勝利の我々は道半ば。

今回もやられても仕方ない・・・

そんな思いを心の奥底に隠して臨んだダービーでした。

しかし選手はそうじゃなかった。

闘志でも、内容でも上回り、また心が折れかける失点があっても、最後まで戦い続け、ゴールをこじ開けた選手達に賛辞を送りたいを思います!!

戦評

ネタらを欠いていたことで、中盤のメンバーが大きく変化。

山本悠、石毛が中心となってボールを動かしました。

お互い同じ4-3-3でしたが、守備時はひとり(ガンバは石毛、セレッソは香川)が前に出て4-4-2気味に守る、という構造も同じ。

どこで数的有利をつくるか、という狙いがあったと思いますが、この日はお互いにバイタルの前はダブルボランチで埋め、2トップでスペースを削り取ってくるような相手に対し、シンプルに長いボールを使ってそのこぼれ球を奪う、といった展開が多かったかなと。

そこで石毛、山本、ダワンの中盤が、デュエルで相手の3人を上回ったことで、前半から流れを引き寄せた印象です。

いい形で奪えば、石毛や山本悠がスムーズに起点となり、相手陣内へ。

そこに両サイドバックも積極的に絡み、相手のゴール前にボールを送る回数は多かったかなと。

またGKまでプレッシャーがかかれば、東口は無理をせずロングキック。

これを武蔵が収める回数も多かったですが、これはチームとして

武蔵VS鳥海なら、武蔵のほうが強いんちゃうか。ヨニッチには近寄るな!

という狙いがあったのでは。

CKも増え、押し込む時間も長くなりましたが、ゴールは奪いきれずに後半へ。

すると後半7分、衝撃的なプレーが飛び出してしまいました。

CKの流れで全体が前に上がっているときに、DF三浦がバックパス。

しかし狙ったはずの杉山からは全くずれており、C大阪MF毎熊への絶妙スルーパスへ。

独走を許すと、カバーに入った黒川もかわされ、先制点をまたもプレゼントしてしまいました。

サッカーとは不思議なもので、こうなると流れはセレッソへ。

2点目をとられてもおかしくない状況もありましたが、そこは三浦含めたDFラインを中心に踏ん張り。

押し込まれた状態で、クロスを跳ね返す三浦は本当に頼れるCBなんですけどね・・・

なぜ同点ゴールは生まれたのか

攻撃的なカードがベンチには少なく、福田、食野を両サイドFWへ。アラーノはインテリオールに。

途中、アラーノが毎熊に掌底を見舞った時には

終わった・・・

と諦めかけました。

しかしこの日は本当に武蔵が頑張り、最後まで走って前線で起点に。

途中出場の福田も前を向いて仕掛ける場面が増え、ガンバペースに。

終盤の押し込んだ時間帯は、福田が左サイドで幅を取り、右は福岡が大外に。

これにより、食野は得意とする内側でのプレーが増えていきました。

これはチームとしての狙いなのか、福岡の個人戦術なのかは不明。

しかし、まるで2-3-5? のようなポジショニングで、押し込む時間帯が増加。

福岡は外に張りっぱなしではなく、うまくインサイドも使いながら、こぼれ球の処理やパスルートの確保、と終盤の押し込みに一役買ったと思います。

そのポジショニングが、インサイドからの食野のゴールに関与したのでは、と感じました。

まさに

こじ開けた

といえるような同点ゴールでした。

採点&寸評

2023 ルヴァンカップ第2節 ホーム・セレッソ大阪戦(3月26日)
  名前 先発 サブ 採点 寸評
GK 東口順昭   5.5 止めるべきものはきっちりストップ。ビルドアップよりも大きく蹴り出すプレー目立ちました。足元の怪しさはそう簡単には解決出来そうにないっす…
石川慧      
谷晃生        
DF 福岡将太   6 高尾の胃腸炎により右サイドバック起用。摩訶不思議感漂う攻撃参加でアクセントに。左足クロスは精度はゼロですが、守備も含めて好印象でしょ。
半田陸        
藤春広輝      
三浦弦太   4.5 パナスタを凍り付かせた逆スルーパス。コンサ戦の謎ポジショニングに続き、スパイ型センターバックとして突き進むつもりなのか。迷走してます。
高尾瑠        
佐藤瑶大      
権敬源        
黒川圭介   5 失点シーンは三浦の犠牲者に。攻撃参加の回数は増えたが怪しいパスミスも。最後ののチャンスでニア上ぶち抜けばすべて帳消しでしたが…
柳沢亘      
江川湧清   5.5 ここぞのシーンではなりふり構わぬハードな守備。つなぎはシンプルも、DFとしては大きなミスなく終えることの価値が相棒の横で際立ちます。
MF 山本理仁        
倉田秋        
福田湧矢   5.5 クロス精度低くため息を誘いましたが、ドリブルで仕掛ける圧力はセレッソも嫌がっていたはず。ワイドにはることで相手DFを広げる仕事も。
ネタ・ラヴィ        
塚元大        
ダワン   6 最後まで強度高く中盤を引き締め。やはり門番役として外せませんが、ビルドアップの関わりは少なめな点をポヤ将がどうみているか…
杉山直宏   5 ゴールのにおいがしたのは前半1度の仕掛けのみ。まだキレが足りていないような気がします。これがマックスならば正直J1では厳しいかと。
山本悠樹   6 今季初めてマエストロ感あり。ラストパスの精度が課題。北野を狙い撃ちした報復パス返しぐらい、正確になれば文句なしっす。
中村仁郎        
アラーノ   5.5 ダービーに必要な熱さをチームに注入。しかし興奮しすぎてレッドでも致し方なしの暴挙に。笠原主審が前半のハンドと帳尻合わせてくれなければ戦犯。
石毛秀樹   6 トラップは宇佐美に並ぶほどのうまさ。判断を直前で変えるプレーもさすが。彼の能力でポゼッションは3%ぐらい上がっていると思いました。
FW 宇佐美貴史        
食野亮太郎   6.5 足を振り続け、とうとう壁をぶち破りました。しかも最高の場面で。明らかにキレが増した印象。ここから新ダービー男への進化を期待しましょう。
鈴木武蔵   6.5 影のMVP。アバウトなロングボールを必死に収め、2度追いも辞さないチェイスで守備もフォロー。ハンドじゃなけりゃ得点もあったかも…
ジェバリ        
山見大登        
監督 ダニ・ポヤトス     5.5 代表組と宇佐美を欠いても、ポヤサッカーを展開。チームとして前進していることは間違いなし。見切らなかった食野が結果出し、チームも好転するか。

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課題と収穫

まずは屈辱を味わい続けているダービーで、一矢報いたことは収穫。

さらにそれが、ダービーへ誰よりも強い思いを示してきた食野であったことも、チームを前進させる大きな要素かと。

やっぱり気持ちやな

この考え方って、絶対にバカに出来ないと思っています。

さらに山本悠、福岡が、チームに新たなものを加えられることを証明したこともポジ。

なにより、ダービーで負ければ心がばらばらになりかねない状況を阻止したことも大きいでしょう。

終盤に見せた2-3-5と言えるフォーメーションは、点を取りたい時のオプションとしてはここから定着していきそうな予感もしました。

左ウイングが中でプレーするのが好きなアラーノや食野になれば、黒川を大外に配置し、右ウイングは杉山で幅を取る、といった形でも流用できそうです。

課題はいまだ集中力が切れた、しょうもない失点がなくならないこと。

そろそろ三浦にも危機感を持ってもらうべく、CBを入れ替える、という策があってもいいのでは、と個人的に感じます。

大阪ダービーで負けなかったことを喜ぶ今のメンタリティーは、サポーターとしては屈辱的ですが・・・

いまは自分たちの立ち位置を見据え、一歩一歩進んでいくしかありません!!

きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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