【コラム】大阪ダービーで見えた片野坂監督の覚悟…パトリック&昌子外しのなぜ。可変式ビルドアップの理想形とは

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2022年4月23日 ルヴァン杯・セレッソ大阪ーガンバ大阪@ヨドコウ

大阪ダービーは勝たなければ意味がない。

そうやって育てられてきたので、結果も内容も伴わないドローに、納得できるわけもありません。

しかし湘南戦から中5日にも関わらず、パトリック、そして昌子という攻守の要、とみられていた(こちらが勝手にみていただけですが・・・)選手を外し、挑んだ試合でしたが、結果はスコアレスドロー。

なぜこのメンバーで挑んだのか。

その点に重きを置いて考えてみました。

【Yahoo!トラベル

先発布陣から見る狙いとは??

こちらが両チームの先発布陣。

やはり目についたのは、FWパトリックをベンチ外、レアンドロペレイラもベンチに置いて、18歳の坂本を先発させたことでしょう。

今回の布陣、攻撃時には黒川をウイングハーフに上げて、福田もシャドーの位置へと変化し、3-6-1のようなシステムで攻める意図が見えました。

セレッソは守備時、4-4-2の3ラインを極端に狭くし、中央にはヨニッチ、西尾というヘディングに自信のあるセンターバックを2枚配置。

ここでパトリックにガチンコ勝負をさせて、こぼれ球を作っても、狭いセレッソのライン間ではこぼれ球が相手にわたる可能性が高い。

それなら山見に徹底して裏を狙わせることで、ライン間を少しでも広げてシャドーが前を向くスペースをつくろうとした、ように見えました。

だからこそ、パトリックをセンターFWにおいて山見をシャドーで使うのではなく、狭いスペースでボールを引き出せる坂本を起用したのでは、と感じます。

なぜ片野坂監督の狙いが結実しなかったのか

また可変3バックの狙いも、見えた部分がありました。

特徴的だったのは、サイドハーフ→シャドーでプレーした福田が、左サイドに張るわけではなく、常に中よりのポジションを取っていたこと。

山見がCBふたりの目を引き付け、2シャドー(福田、坂本)はサイドバックとボランチの間にポジションを取る。

さらにウイングハーフ(黒川、小野瀬)も高い位置でサイドバックとサイドハーフの目を引き付ける。

そこで、両サイドCB(ギョングォン、柳澤)が、セレッソのサイドハーフがコースを切った方と、逆の選手に縦パスを送る。

ギョングォンから福田に鋭い縦パスが入ったシーンも見受けられましたが、そこで福田がうまく処理できずにチャンスの芽がつぶれるシーンもあり、ため息を誘いました。。。

受けてが宇佐美であれば、いいチャンスになったやろ。。。と悲しい気持ちに。

シャドーにいいボールが入り、相手の4バックを、5人(山見、坂本、福田、黒川、小野瀬)で攻める形ができれば理想でしたが、なかなかその形でチャンスには至らず。

シャドー役の人選は、ここからチームの課題になるのでは、と感じました。

昌子ではなく、三浦を起用したわけ

さらに昨日の試合で目についたのが、攻撃時3バックの中央で、三浦がフリーになる時間でした。

3バックの両サイドが相手のプレッシャーを受けやすいですが、三浦には余裕があり。

彼から鋭いサイドチェンジで、ウイングハーフまで出せれば、チャンスになるのでは、と感じたシーンが何度もありました。

中距離キックの鋭さでいえば、昌子より三浦の方があることが、昨日の起用意図ではないかと。

しかし三浦には結局そのパスはほぼ出せず・・・

ベンチの片野坂監督のジェスチャーでも「出せよ!!」と感じていたように見えました。

セレッソは、その役をGKキムジンヒョンがやっていましたよね。右サイドバックの松田まで、低く正確なフィードで届けるパスはさすがでした。

理想とかけ離れた現実

なぜチャンスをつくることができなかったか。

まとめると、いくつかの要因があがります。

・シャドーのチャンスメイク力

福田や坂本にボールが入っても、背中に人がいる状態では、ウイングハーフを生かすパスも、ひとりをはがしてチャンスを広げる力も足りなかった、と感じました。

・センターFWの迫力不足

山見は裏を狙うという役割は担ったものの、あまりにボールに触る回数も少なく、五分五分のボールに走り勝てるわけでもなく、当然ヘディングで競り勝てるわけでもなく。ほぼ試合から消えたような状態でした。

もちろん、前の3人は守備での仕事はしっかりとこなしてくれました。無失点には大きく貢献してくれました。

守備はほんまに「俺の仕事じゃない」という空気をありありと出すレアンドロ・ペレイラには、できない仕事でした。間で起点になる意識も、サイドに張りっぱなしになるウェリントンではこなせないのかもしれません。

しかし結局、この日最大のチャンスは、途中出場したウェリントンがサイドでボールを持ち、相手の最終ラインを押し下げた中で、下げたボールを柳澤が無理やりクロス。一度は相手にわたりますが、鋭い攻守の切り替えで小野瀬が奪い返し、最後はクロスにペレイラがヘッド、という形でした。

帯に短し、たすきに長し。

今のガンバの前線は、そんな状態かと思います。

でもチャレンジ亡くして成長なし。

いつまでも、パトリックの高さにばかり頼るわけにはいかないのです。

ルヴァンカップは敗退が決まってしまいましたが、次のダービーまでに攻撃の形を作り上げてほしい。セレッソをボコるほどの攻撃力を身に着けてほしい、と願うばかりです。

あとがき

最後に、大阪ダービーを現地観戦して感じた危機感を。

声は出せないとはいえ、観客制限が撤廃されたスタジアムには、かつてのダービーに近い雰囲気が戻ってきていました。

でも・・・

盛り上がっているのは、両ゴール裏のみに見えてしまったんですよね。

バックスタンドは空席がかなり目立っていました。大阪ダービーやのに。

マジで負けたくない相手に、バチバチやり合う大阪ダービーは、Jリーグの中でも一番おもろい試合だと思っています。

それが、両クラブのガチサポのみのものになってしまうのは、寂しいなと・・・

セレッソのスタジアム壁画が、青色だったことで、あちらさんのサポが怒って隠したとか。

そんなことが、サポーター以外に理解できますか??

まあ、パナスタの壁がピンクなら、もちろんいい気持ちはしないので、怒る気持ちはわかるのですが。

もっと数多くの人に、サッカー好きの人に、Jのスタジアムで試合を楽しんでほしい、と思うのです。

そのために、こんなウダウダとしたブログでも、少しでもサッカーの面白さが伝われば、と願います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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この記事を書いた人

ガンバ大阪を深掘りし、より試合観戦やサポートをより楽しめる場所に。コラムや【忖度なき採点&寸評】で辛口甘口、ユーモアを交えつつ。 名前の由来は『Liverpool echo』より。愛するワンクラブを徹底して分析する場所を目指します。

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